6章:9『弟の気持ち』 ページ41
一織「なんの話かは知りませんが、兄さんは私のために色々と尽くしてくれていますよ。」
三月のそばに近寄り、ベッドに寄りかかるようにして床に座る一織。
一織「私はこんな性格ですし、自分からは中々兄さんに甘えることが出来ないんです。でも、小さい頃からいつも、兄さんはよく甘やかしてくれましたよね。」
懐かしそうに言う一織に釣られて、三月も昔のことを思い返す。
お店のことで忙しい両親に代わり、たくさん遊んだし料理もしたっけ。
最初は簡単なものでも上手く作れなくて、それでも一織は「美味しい」って笑顔で食べてくれてたなぁ。
一織「兄さんは周りの人のために、自然と行動に移せるんです。自然すぎて、自分で気づけないほどに。そんな兄さんを私は尊敬していますし、不満に思ったことなんてありません。」
キッパリと言い切った一織に、三月は固まってしまった。
一織「…何か、不安な事でも…？」
三月「あー、全然！一織にそう思われていたなんてな〜って！」
根本的な解決にはなっていないが、気持ちは大分楽になった。
一織「…この後私は数日後に提出の課題を進めるのですが、兄さんの部屋で勉強しても良いでしょうか。」
三月「え？オレは別に構わないけど…、一人の方が集中できるんじゃないのか？」
一織「今日は兄さんのそばに居たいんです。」
断固として退かない一織に、三月は頷くしかなかった。
三月「でも、風邪をうつしたら嫌だから、マスクはしててくれよ？」
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ナギ「リク……、何をそんなに不機嫌な表情でいるのですか？」
朝食を食べ終えた陸が、外出の準備をしながら不機嫌そうな雰囲気を醸し出していた。
陸「一織が“話し相手になってください”なーんて言うからさ、普段しないような話でもするのかな〜って思ってたのに、結局仕事の話でさ…」
仕希「話を聞いている時の陸、段々不機嫌そうになっていくんだよ。」
陸「あー、仕希笑ったでしょー！」
万理「一織くん、今日の仕事に出れないから、陸くんに頼ってるんだよ。」
陸「え、そういうことだったの…？！」
嬉しそうな笑顔で「じゃあ、行ってきます！」と言い残し、紡が待つ外へ走って行った。
仕希「そういえばナギくん、三月くんにデザートだけでも持っていくって言ってたけど、まだいいの？」
ナギ「もう少ししたら行きますよ。今は大事な兄弟の時間ですから。」
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草津蓮哉(プロフ) - 欅さん» コメントありがとうございます！学業の関係で中々更新できていませんが、時間を見つけて少しずつでも更新していこうと思っております。推しは環と万理さんです…！ (2020年3月5日 7時) (
レス) id: ef06dcdedf (このIDを非表示/違反報告)
欅 - この作品に巡りあえて幸せです！ お忙しいとは思いますが、頑張ってください。応援してます。 推しは誰ですか？ 私は三月推しです！ (2020年2月4日 22時) (レス) id: 94cd216a66 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：草津蓮哉 | 作成日時：2018年5月30日 2時
