1章:5『分岐点』 ページ5
声援の止まない会場。
本当なら対決する二人…又は2グループで一緒に出るはずだけど。
このまま皆を待たせるわけにもいかない。
使祈「こんにちは〜」
少しためらったが、一人でステージ上へ出る。
司会「元気そうだねぇ、調子はどうだい？」
使祈「お陰さまで元気ですよ」
ｱﾅｳﾝｻｰ「…あれ、梨将くんは？」
客席からは見えなくても、ステージからは梨将が居るステージ脇が見える。
動かない梨将を見て、話題の振りを判断する司会者さん達。
使祈「梨将は緊張してるらしくて、少し前に水を飲みに行きましたよ〜」
短く済む用事を作り上げ、会場内を笑顔にする。
梨将も流石に正気を戻したのか、タイミングを伺っている。
梨将「こ、こんにちは！」
ぎこちない笑顔でステージへ出てくる梨将。
一気に上がる歓声。
司会「いや〜、凄い歓声だね。これは良い戦いになるんじゃないかな?!」
ｱﾅｳﾝｻｰ「そうですね！あ、今回は二人とも新曲を歌うという話ですが…？」
使祈「はい、今日この場で歌うのが初めての曲です。」
梨将が話しそうになかったから、先に話した。
それでも、梨将は文字通り棒立ち。緊張しているのか、笑顔も固くなってきている。
司会「うーん…、じゃあ、使祈君から歌ってもらおうかな！」
歓声と共に、司会者とｱﾅｳﾝｻｰがステージから捌ける。
梨将もステージ脇へと移動した。
曲の前奏が流れ始める。
時間が無い中、急遽作ったこの曲は、梨将へ向けて書いた…と言っても過言ではない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
緊張と不安で、全く動けなかった。
目の前で歌う使祈の姿が、昔一緒に歌っていた時と重なる。
二人で交わした会話の一部が歌詞に混じっている。
………なんだよ…、いつまで経っても、考える事は同じなんだな…。
梨将の作った曲は、仕希へ向けたものだ。
ただそれは、別れを告げるようなもの…でもある。
でも仕希の曲は“これからも共に”…という気持ちが伝わってくる。
………本当なら、歌っている使祈へ、何らかの形で“トラウマ”を引き出すように仕向ける…というのが命令だった。
…でも、そんなこと……、あいつのトラウマは…………________
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
月雲「……」
なんで何も起こさない…？
やっぱり、梨将を使ったのは間違いだったか……？
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草津蓮哉(プロフ) - 欅さん» コメントありがとうございます！学業の関係で中々更新できていませんが、時間を見つけて少しずつでも更新していこうと思っております。推しは環と万理さんです…！ (2020年3月5日 7時) (
レス) id: ef06dcdedf (このIDを非表示/違反報告)
欅 - この作品に巡りあえて幸せです！ お忙しいとは思いますが、頑張ってください。応援してます。 推しは誰ですか？ 私は三月推しです！ (2020年2月4日 22時) (レス) id: 94cd216a66 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：草津蓮哉 | 作成日時：2018年5月30日 2時
