1章:3『不安と根性』 ページ3
ｱﾅｳﾝｻｰ「今回は新人アイドルが多いですが、使祈くんと梨将くんの対戦や、ゲストのTRIGGERに注目が集まっていますね！」
司会「使祈くんといえば、同じ事務所のMEZZO”にも応援のコメントがたくさん来ていましたね」
司会者とｱﾅｳﾝｻｰがうまく出演者の名前を話題に入れて話すなか、ステージ裏は慌ただしかった。
使祈の出番はまだだから、控え室に居ても支障はないのだが。
万理「仕希」
……兄に呼ばれたから、ステージ裏に来たのだ。
邪魔にならなそうな端の方へ移動する。
万理「本当に大丈夫なのか？」
仕希「大丈夫、…とは、言い切れないけど…」
お客さんが目の前にいるという時点で、編集を使うことは出来ないから、どんなことが起こっても次に繋げなくてはいけない。
周りの人達とは違う不安がたちこもる。
仕希「……ちょっと、控え室のほうに行ってくるね」
笑顔を作れていたかわからないけど、とりあえずこの場の空気に飲まれたくなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
控え室が並ぶ廊下を歩く。
月雲「……九条使祈」
仕希「？」
すれ違い様にフルネームで呼ばれ、思わず勢いよく振り返る。
月雲「あぁごめん、大神仕希くん…だっけ？」
仕希「…え……」
どうしてその名前を知っているのか、この人は誰なのか。
色々なことが頭の中を回る。
月雲「まぁいいや、今は九条使祈だよね。…思ったより身長低いね？梨将より低い。髪の色はもう少し濃いと思ってた。普段の声はそこそこ低い程度なんだ、声変わりきた？」
…………。
本当なにこの人。
わりと早口で言われたから、全く頭に入ってこなかった。
月雲「あぁ、ごめんごめん。控え室に行くところだったよね。」
使祈「いえ…。」
月雲「応援してるよ。せいぜい“潰されないように”ね。」
意味のわからないことを言い残し、立ち去っていく男。
なんだか控え室に行く気になれず、もと来た道を引き返すことにした……
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
梨将「…何してた」
月雲「アハハ、怖い顔しないでよ。少し接触を試みただけだよ？」
梨将「…」
月雲「親友思いなんだね。まぁ…これから、その親友を自分の手で壊すことになるけど」
梨将「…煩い」
やっぱり、この人は苦手だ。
…親友を壊すなんて………俺にできるわけがない…
出番までは、まだ時間がある。
その間に……__
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草津蓮哉(プロフ) - 欅さん» コメントありがとうございます！学業の関係で中々更新できていませんが、時間を見つけて少しずつでも更新していこうと思っております。推しは環と万理さんです…！ (2020年3月5日 7時) (
レス) id: ef06dcdedf (このIDを非表示/違反報告)
欅 - この作品に巡りあえて幸せです！ お忙しいとは思いますが、頑張ってください。応援してます。 推しは誰ですか？ 私は三月推しです！ (2020年2月4日 22時) (レス) id: 94cd216a66 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：草津蓮哉 | 作成日時：2018年5月30日 2時
