バイオレットフィズ4

185話 ページ49

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sideA


レイとノーマンはしばらく離してくれなかった

あれ…感動の再会のはずだったんだけどな


トレ「やっとガキらしくなったな」


『トレフル…』


トレ「お前、これからどうする？」


『どうするって…』


トレ「やっぱ家族と一緒に住む感じ？」


『うーん…家族とは一緒にいたい。でも、僕はここで医者になりたい気持ちもあるんだ』


エ「なら皆でこっちに住んじゃえばいいよ！」


『え？』


レ「お、良いなそれ」


ノ「うん。住むところくらいは手配してくれそう」


『手配って…』


エ「ラートリーさんが、今は私達の身元を受け持ってくれているの」


『ラートリーが…！？』


ノ「もう僕達に危害は加えてこないよ。安全に生活させてもらってる」


『…そっか。良かった』


トレ「いいんじゃねえか？賑やかなのも悪かねぇ」


レ「一旦帰って皆に話してからになるけどな」


ギ「きっと皆承諾してくれるはずよ」


『…ありがとう、何もかも』


ジリ「もちろんだよ、ね」


エ「うん！家族なんだから！」



















ノ「またね。A」


エ「すぐ帰ってくるからね！！」


『うん、またね』


空港まで皆を見送る

フライトまで後20分程

そっか…僕、また一緒になれるんだ

顔のニヤケが治まらない


レ「ニッコニコじゃねえか」


『レイ…仕方ないでしょ。嬉しかったんだよ』


レ「会わないうちに随分素直になったんじゃねえの？」


『そうかも。早く皆と暮らしたいなあ』


レ「ああ、俺もだ」



『…レイ。僕のこと、忘れないでくれてありがとう』


レ「…おう」


『約束を結んだ時、レイにだけは覚えていて欲しいなって思っちゃったんだ』


レ「…」


『レイ？』


レ「期待して良いか？」


『え…』


レ「それ」


頬が僅かに赤い

期待って…？

ただ、レイにだけって…

…


…


……


……あ、


『…良い、かも』


自覚した途端顔に熱が集まった

そっか、僕


『レイ…』


優しくハグされる

今度は家族のハグじゃない

どきどきする方の


レ「言いたい事があるんだ」


『…うん』


レ「今更なんだけどさ」


『でも、聞きたい。レイの口から』


レ「……顔、あげてほしい」


視線が交わる

熱くて、優しくて、少し不安そう

でも、この先の言葉が透けて見えそうな

そんな


レ「A」


『…う、ん』


顔を真っ赤にした僕に


彼は、いたずらっぽい笑みではにかんだ












レ「俺、Aの事、大好きだ」

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