バイオレットフィズ4

168話 ページ31

*

「皆で守り、つくりあげる…｣


「僕らが、僕らの手で…」


「民も王を支えます！！」


「おうよ！！ムジカ様！！」


「ムジカ様！！！」


「「新王！！ムジカ様万歳！！！！」」


sideA


ギ「ムジカ…！生きてた！！」


ジ「えっ王様！？どういうこと！？」


ド「でもいいぞ！邪血が広まる！！これで元の計画通り鬼達も滅びずに済む！」


オ「いやそれどころじゃない。農園…廃止…」


エ「農園が…なくなる…！


全食用児自由だ！！！！」


ド「俺達はもう…食用児じゃない…もう誰にも追われない…自由になったんだ…！！！」


ようやく…ようやく辿り着いた

紛れもない努力の形が今

可視化された


『はぁぁぁぁ……』


ノ「A！」


『なんかすごい疲れた…長い夢を見てるみたいだ』


エ「現実なんだよ、全部…！私達が掴んだ…！！」


『エマ……そうだ、僕達まだやる事があるよ』


エ「うん…！ハウスに行こう！」















迎えに行かなきゃ

1人で背負わせてしまった

待てると、言わせてしまった

家族の元へ


エ「フィル！」


フ「……エマ………？」


エ「ただいま！！フィル！！」


フ「エマ……エマ…！！

おかえり！！」


銃を捨て一目散に走り出すエマの背中を見送る


ギ「私達も行きましょ！」


ド「おう！」


フ「ギルダ！ドン！みんな…！！」


ナ「フィルー！！」


ア「フィル…！元気そうで良かった…！」


レ「フィル…」


フ「レイ！、と……うそ、生きてたの？ノーマン！」


ノ「うん。弟妹を守ってくれてありがとう」


レ「フィル…辛かったろ。ごめんな、ありがとうな。…もう大丈夫、大丈夫だからな」


フ「うぅ…うわぁぁぁん！！」


辺りを見回すと、また別の監視達がいた

突然の事態に混乱しているようだ

そして、遠くにも


「これは、一体……｣


「あ、グ、グランマ・イザベラ！！」


マ「…私達はもう自由なのよ」


「え…」


マ「農園は全て廃止されたの。もういいの」


「農園が…？」


「もう……」


マ「これからはもう、ただ普通に愛せるのよ」


今、農園は終わる

全ての農園が

僕たちの手によって

全部、全部…


フ「これでもう行けるの？その…人間の世界に」


エ「うん！行けるよ。皆で、人間の世界へ」


レ「ああ…やっとだな」


ノ「皆で、行こう」


そう

皆で

失った仲間の想いも乗せて

全員で幸せになるから







『だから、邪魔しないでよ』

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