バイオレットフィズ4

166話 ページ29

*
sideA


マ「それで…エマ、あなた達これからどうするの？」


エ「一度退く。王兵もいるしまだやることが残っている。
でも良かった、ママ達とも話をしなきゃと思ってたんだ。

人間の世界へ行こう。全部終わったら、ママ達も」


ノ「勿論嫌じゃなければだけど。全部終わって約束を履行したら、ママもシスター達も他の農園の子供も大人も…全員一緒に人間の世界へ行こう」


「わ…私達を…許してくれるの……？」


「こんな…大人達を…」


「いや……でも…」


マ「…私達はここに残る。気持ちは感謝するわ。でも、私達は……」


レ「ごちゃごちゃうるせー｣


マ「！」


レ「ウンザリしてたんだろ？悔いがあるなら人間の世界で晴らせよ。
俺は生きてよかった。生きてこそ償える罪も、晴らせる悔いもある。
もういいんだよ、もう誰も恨まない、恨んでない。だから行こう。あんた達も」


アリ「そうだよ！行こう！」


ジ「行こうよ！」


ギ「ね、ママ」


弟妹達がイザベラの元へ駆け寄っていく

辛くなかったはずがない

ショックでなかったはずがない

それでも


『やっぱり母親なんだよ』


マ「ごめんね……ありがとう…みんな……」






エ「じゃあ、決まりだね。あと少し、やること全部片付けたら必ずここに戻ってくる。それまではGFもまだ続くし残っているけど…」


マ「待ってるわ。大丈夫、私達の裏切りはまだ鬼達にもラートリー家の家来達にもバレていない。うまくやるわ。こっちは任せなさい、フィル達のことも鬼達のことも。

気をつけてね」


エ「うん。すぐ戻る。

じゃあ行ってきます！」


ノ「シスロ！今から退避する！そっちの手筈は…」


シ［ボス！万事大丈夫…大丈夫なはず…だったんだがよ、いや……これどういうことなんだ。

王兵の動きがおかしい。王兵が…！尽く持ち場を離れて外橋の方へ向かっている…！！］


王兵が…？


ハ「ヤバいですよ！！援軍だ、攻めてきます！」


「待って！これを」


確か…ジェシカだったか、彼女がモニターを持ってくる


［通達］


これは、王都の様子と繋がっている…

ラートリー家の機械仕掛けになった梟か


エ「え…」


『……なんで』


画面に映るその姿は、確かに見覚えがあった


［全国民へ、王都から伝令］




『どうして…レウウィス…！』

167話→←165話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す