156話 ページ17
*
sideソンジュ
「…ムリだね」
その疑問は予想の範疇だった
「イヴェルクなりバイヨンなり残ってりゃまだ別だろうが、俺にはコネもなければ政治もわからねぇ。何より俺は700年追われた反逆者…そうともなれば余計な混乱を生むだけだ｣
ム「大丈夫よ。鬼の問題は私達で何とかするわ。エマ達はとにかくアジトへ急ぎなさい」
エ「でも！」
ム「人間の存在が見えない方が事態を収めやすい。これはあくまで鬼の内乱。今ならまだそうできる。大切なのはこれ以上誰も死なせないこと…
憎しみの炎を大きくさせないこと
…それより嫌な予感がするわ。大群の王都兵…万が一にもアジトが襲われていたら大変よ。
行きなさい、さあ急いで。
こっちは大丈夫、ちゃんと考えもあるの」
エ「……ありがとうムジカ…！ありがとう…！！」
…本当にいいのか？
約束を履行したら、俺はこの先一生人間を食うことも、いや見ることすらなくなる
…やはり、このままでは
「うおッ」
何かに抱きしめられる
今のこいつには身を寄せられる、という方が正しいか
「エマ、A…？」
『…』
エ「ソンジュもありがとう。
この2年、色んなことがあったよ。
鬼について、自分達について、食べるってこと、命ってこと、命を奪うってこと…いっぱい考えたよ。
死についても考えた。
私ね、家族を殺されるのは絶対嫌だし、食べられるのも絶対嫌。私自身殺されるのも食べられるのも絶対嫌だけど、
想像したの。もし私が死んだら…そしたらね、
ソンジュとムジカになら食べられてもいいって思った。
鬼を殺したくないって思えたのは、あの時2人に出会えたから。
今の私があって、ここまで来られたのは、2人に出会えて助けてもらえたから。
ありがとう
本当にありがとうございました」
4人分の足音が小さくなっていく
ム「行っちゃった…。いいの？もう人間食べられなくなるわよ？ソンジュ」
「あ〜〜〜〜も〜〜〜〜〜！！！！よかねぇよ！！俺の馬鹿野郎！！！！！！」
ム「私好きよ、ソンジュのそういうところ。
…さて、私さっき考えがあるって言ったけれど、本当は何も無いのよね。どうしましょう」
「…………だと思ったぜ…
ちょっと無茶だがアテがなくもない…イチかバチかだ
寺院に向かう、着いてこい」
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共感性羞恥(プロフ) - レイ落ちの沼にハマった者さん» この作品に足を止めて頂きありがとうございます。いかに設定を詰め込むかに命をかけていたので、このようにご好評いただけること、大変嬉しく思います。 (4月19日 9時) (
レス) id: 4b1c35e127 (このIDを非表示/違反報告)
レイ落ちの沼にハマった者 - バイオレットフィズ、個人的には約ネバ原作より好きです。バイオレットフィズのカクテル言葉が『私を覚えていて』というのと目の色の変化がレイへの感情の変化を表しているのが好きです。というか最後のレイと主人公の告白&絡み最高に好きです。ありがとうございました (4月13日 9時) (レス) @page50 id: c0fda8e93e (このIDを非表示/違反報告)
共感性羞恥(プロフ) - 大阪谷さん» 最後まで読んでいただきありがとうございます。貴重なお時間をこの作品に割いてくださったことに感謝の舞です。 (3月17日 10時) (レス) id: 8adc0e19cf (このIDを非表示/違反報告)
大阪谷 - 面白すぎてイッキ読みしちゃいました！完結おめでとうございます💐 (3月16日 16時) (レス) @page50 id: 382b1b8271 (このIDを非表示/違反報告)
共感性羞恥(プロフ) - 青現さん» ありがとうございます。初めましての作品ということもあり拙い文章にはなってしまいましたが、何とか完結に至る事が出来ました。貴方様に出会えたこと、大変嬉しく思います。ここまで応援してくださり本当にありがとうございました。 (3月16日 9時) (レス) id: 8adc0e19cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：共感性羞恥 | 作成日時：2024年1月28日 14時
