42話 ページ43
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sideエマ
2046年1月14日日曜日23時38分
食堂のドアを開ける
「レイ……こんな時間に何してるの?」
レ「最後だからハウスにお別れを…」
「レイ…明日誕生日だもんね」
レ「そう…今日が最後の夜。明日でお別れだ。
なあ…エマ…お前、本当に諦めちまったのか?
本当は諦めてなんかないんだろ?エマ」
口角が上がる
やっぱり考えることは同じ
諦めるなんて1ミリも考えてなかった
「…うん、諦めてない。レイもでしょ?」
レ「ああ、お互い結局考えることは同じ。
諦めたフリして脱獄を進めてたってわけだ」
「逃げよう、レイ。その話をしにここへ来た」
レ「2ヶ月ママの目気にしてロクに会話も出来なかったもんな」
「そう、狙い日は私たち2人なら私にママの目を向けさせて、私以外から目を逸らさせた」
レ「…ドンとギルダか」
「ママの警備が固くてもその目は2つと限られている。私達に警戒が向くほど他が手薄にならざるを得ない。
何かをするのは全部任せた。訓練を始め諸々の準備。
全部済んでる、いつでも出られる」
レ「上出来じゃないか、あとはどう逃げるか」
「それは練ってある。明日の昼、ここから逃げよう」
レ「待て、昼は無茶だ。夜にしよう。
…逃げるとなると橋から、しかも本部から1本だけ。そこで浮かび上がる問題は2つ。
1つはママの目。まず逃げる時にはママの監視を振り切って逃げなきゃならねえし、ママとチビたちを切り離さなきゃ全員では逃げられない。
2つ目は橋の警備。唯一の道は見張りを置くに決まってるし、脱走なんて警備が橋に殺到する。」
つまり、ママに止められたら全てが終わる
全員で逃げるどころか誰一人として逃げられない
固唾を呑む
レ「俺はこれが1番だと思う
夜、ハウスに火をつける」
「火事を起こすってこと?」
レ「避難って形で外へ連れ出すんだ。脱走じゃなくあくまでも火事と思わせる。そうすれば警備は橋へ向かない、暫くは。そして夜なら姿も隠しやすい。やるなら夜だ」
オマケに火炎瓶もあると言ったレイには流石に驚いた
6年越しの準備、本気すぎる…
レ「…さぁ、明日と言わず今夜
今逃げよう」
…ノーマンの考え通りなら、レイは農園で死のうとする
ここに私が来なかったとしても、火事を起こして死ぬ気だったに違いない
今日ここへ来た本当の目的は
レイを絶対に死なせないことだ
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作者名:共感性羞恥 | 作成日時:2023年7月29日 23時