検索窓
今日:14 hit、昨日:51 hit、合計:66,034 hit

42話 ページ43

*
sideエマ


2046年1月14日日曜日23時38分


食堂のドアを開ける


「レイ……こんな時間に何してるの?」


レ「最後だからハウスにお別れを…」


「レイ…明日誕生日だもんね」


レ「そう…今日が最後の夜。明日でお別れだ。

なあ…エマ…お前、本当に諦めちまったのか?



本当は諦めてなんかないんだろ?エマ」





口角が上がる

やっぱり考えることは同じ

諦めるなんて1ミリも考えてなかった


「…うん、諦めてない。レイもでしょ?」


レ「ああ、お互い結局考えることは同じ。
諦めたフリして脱獄を進めてたってわけだ」


「逃げよう、レイ。その話をしにここへ来た」


レ「2ヶ月ママの目気にしてロクに会話も出来なかったもんな」


「そう、狙い日は私たち2人なら私にママの目を向けさせて、私以外から目を逸らさせた」


レ「…ドンとギルダか」


「ママの警備が固くてもその目は2つと限られている。私達に警戒が向くほど他が手薄にならざるを得ない。
何かをするのは全部任せた。訓練を始め諸々の準備。

全部済んでる、いつでも出られる」


レ「上出来じゃないか、あとはどう逃げるか」


「それは練ってある。明日の昼、ここから逃げよう」


レ「待て、昼は無茶だ。夜にしよう。
…逃げるとなると橋から、しかも本部から1本だけ。そこで浮かび上がる問題は2つ。

1つはママの目。まず逃げる時にはママの監視を振り切って逃げなきゃならねえし、ママとチビたちを切り離さなきゃ全員では逃げられない。
2つ目は橋の警備。唯一の道は見張りを置くに決まってるし、脱走なんて警備が橋に殺到する。」


つまり、ママに止められたら全てが終わる

全員で逃げるどころか誰一人として逃げられない

固唾を呑む


レ「俺はこれが1番だと思う

夜、ハウスに火をつける」


「火事を起こすってこと?」


レ「避難って形で外へ連れ出すんだ。脱走じゃなくあくまでも火事と思わせる。そうすれば警備は橋へ向かない、暫くは。そして夜なら姿も隠しやすい。やるなら夜だ」


オマケに火炎瓶もあると言ったレイには流石に驚いた

6年越しの準備、本気すぎる…





レ「…さぁ、明日と言わず今夜

今逃げよう」


…ノーマンの考え通りなら、レイは農園で死のうとする

ここに私が来なかったとしても、火事を起こして死ぬ気だったに違いない


今日ここへ来た本当の目的は






レイを絶対に死なせないことだ

43話→←41話



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (23 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
87人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:共感性羞恥 | 作成日時:2023年7月29日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。