バイオレットフィズ (ページ40)

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39話ページ40

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sideA

図書館に行く目的は2つ

ひとつは僕とアンナの医療本を探すこと

もうひとつは

『…レイ、ここに居たんだね』

レ「…」

レイとの接触

というのも様子見だけど

うん、とりあえずドン底って感じだね

項垂れているレイを横目に選書を始める

脳を育てる施設なだけあって本の種類は豊富でレベルの高い物も多く集まっている

その中でも医療に関するものはとりわけ多く、分野も様々

薬学だけでも分厚いものが3冊…流石に全部というのはアンナにはキツイから、1冊に絞って勉強させた方がいいな

一通り目を通して1番良さそうなものを渡そう…

『！？レイ…？』

レ「わり…邪魔はしねぇから…」

床に座り込んでいた僕をすっぽり包むように後ろからレイが抱きしめた

肩に頭を置き、腕に力は入っていない

…今まではずっと1人で家族を送り出す悲しみを耐えてきたんだよね

レイの頭を撫でながら本の読み比べを始める

うーん…やはり比較的新しいものの方が曖昧な解釈が少ない

勉強にあてるならこの中で1番新しい本にしようかな…

しばらく紙をめくる音だけが図書館にあり、僕もレイも言葉を交わすことは無かった

軽く目を通した感じでは外でも通用しそう…な気がするけど人間世界とは自生している植物がそもそも違うかもしれない

実際の知識の擦り合わせは外に出てからということになる

何か外を知れる資料とか…

『…あ、レイ。そろそろ夕飯の準備してくるよ』

そう言うと腕がほどかれる

レ「…ありがとな、A」

『僕は何もしてない。…でも図書館には何時でも来るから』

本を数冊持ち出し図書館を後にする

レイはきっとノーマンの思惑通りの動きをするはずだ

それは阻止しなければならない…絶対に

エマもきっと分かっているはずだ、後で話を聞きに行こうかな

『アンナ』

ア「A！」

夜、アンナに本を渡す

『これが1番学ぶのに良いと思う。ただ外の世界でどれほど通用するかは分からない。』

ア「それでもいいの。ありがとう！」

『こちらこそ。分からない事があったら何時でもきいて』

ア「うん…！」

ナ「A」

『ナット、丁度いいところに。ドン達を呼んで改めて会議をしよう』

ナ「ふふん。そう言うと思って、既にエマのいる部屋に集めておいたぜ？」

…流石に頼もしすぎない？