35話 ページ36
*
sideA
レ「把握？いつの話だよ」
『君達が脱獄を企てた時からの話』
レ「最初からじゃねえか…！」
ノ「それで、僕ら3人の中で誰もAに口を割るようなことはしてない。だから不思議なんだ。Aが僕達の計画を知っていることが」
エ「こっそり見てたとかじゃないってこと？」
ノ「僕らが森で話していた数日、Aは外に出ていない。なんならスリッパだったしね。レイが連れてきた時もあったけどすぐに帰っちゃったじゃないか。
それにAが計画を把握済みだと知った日、僕は図書館で会っている」
レ「は！？会ってる！？なんで俺達に言わなかったんだよ」
ノ「それは内通者の存在を危惧していたから。レイだってママに売りかねないでしょ？」
レ「…まぁ、場合によっちゃ売ってたな」
エ「売るのかよ！」
レ「うそうそ」
ノ「で、本題だよ。A」
『どうやって、だっけ？
…視えたんだ。君たちの話している様子が』
エ「視えた…？」
『いざ言葉にすると難しいんだけど…君達の、というかハウス全体の様子が脳に浮かぶんだ。鮮明に。誰がどこで何をしているか、僕にはわかる。それで1部に焦点を当ててみると会話も聞こえる、みたいな…』
ノ「一定の空間内での状況把握が可能って訳か…すごい能力だ、一般的な常識を卓越している」
レ「…もしかして人の未来や過去も視えたりしないか？」
エ「え？」
『よくわかったね。あの本読んだ？』
レ「読んだ読んだ。まさか目に関する大昔の逸話本が役立つとはな」
『ね、』
ノ「…じゃあ人の未来や過去、一定範囲の空間の状況が視えているの？」
『常にってわけじゃない。少しずつ制御できるようにしたんだ』
エ「いつから視えるようになったの？」
『コニーが死んだ日。目を合わせたらコニーの死体が視えたのが最初』
レ「あん時体調悪そうだったのも」
『初めての出来事に脳が追いついてなかったのが原因だよ』
不思議そうな顔をする3人
まあ無理もないか…
『…それくらいだよ、僕の話は』
ノ「じゃあ気になったことその2
さっき僕と目が合った時何が視えた？」
『…それは』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 86人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：共感性羞恥 | 作成日時：2023年7月29日 23時
