バイオレットフィズ (ページ32)

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31話ページ32

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sideA

…朝から頭にノイズがかかっているような気持ち悪さがあった

シスターと目を合わせてから、あらためて彼女の記憶を視た

そこまでは良かった、しかし問題があった、それは

感情まで伝わってくること

怒り、悔しさ、絶望…渦巻くものが一気に僕を攻撃してきた

おかげで今日は、いつも以上に頭が働かない…

ト「おい！」

フ「エマ？」

…エマ？

何とか頭を動かす

皆の視線を追う、そこには

イザベラに抱えられたエマがいた

ラ「なあA！エマのあれって、もしかして」

『…折られた、て所かな』

ト「やべぇよどうすんだよ！エマなしじゃここから出るなんて」

『…トーマとラニオンはエマに話を聞きに行って。僕はノーマンの所へ行く』

これは予期せぬ事態だ

…まてよ、今日は確か下見の予定だったはず

まさか失敗したのか？それでエマが？

こんな時に僕は…！

……終わったことを悔やんでも仕方がない、今はノーマンのところに行かなければ

バンッと勢いよく食堂のドアを開ける

『ノーマン、』

ノ「A…」

今にも泣き出しそうなノーマンを抱きしめる

『何があった』

ノ「…失敗したんだ、下見。それでエマの足が折られ、僕は明日…出荷だってさ」

『え…』

出荷？ノーマンが？

ノ「決めていたはずなのに、覚悟だってしてたはずなのに…

生きたい、生きたい、死にたくないよ…」

ノーマンの抱きしめる力が強くなる

イザベラ、とんだ策を隠し持っていたな

特上に手を出すと誰が考える

でも何とかしてノーマンを逃がさなきゃ、絶対に…！

ノーマンと目が合う

僕を見下ろす大きな水色の瞳はうるんで、そして…

『え？』

ノ「…？」

これは、本当なのか？