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17話 ページ18

*
sideノーマン


「…え」


なぜAの口から"塀"が出てくるんだ

まさかどこかで僕たちの話を…!?


『…一度規則を破って柵をこえたことがある。行き着いた先は継ぎ目のない塀だった』


ノーマンは?というAに安堵する

良かった、話は聞かれてない…


「いや、登ったことは無いかな」


『…そっか』


Aは、それだけと言い本を持って図書館を離れていった

ほっと胸を撫で下ろす

突然のことに少々返答に困ったが、何とかなったようだ









あれ?

登ったことは、ある…?

行ったことではなく登ったこと

今、Aは僕が塀に行ったことがある前提で話を進めていた…?

これじゃまるで、僕達が塀に行ったことを知っているみたいじゃないか

それにAの立場に立ってみれば、僕は塀の存在すら知らない事になっているはず

…油断した

彼もまたフルスコア、頭がよくキレる

勘が鋭い彼は、僕らの異変にいち早く気がついた

そして今、わざとヒントを吊るして僕にカマをかけたんだ

塀という言葉が出てきたことに困惑した僕は、それに気づかずまんまと引っかかった

しかしこれはダミー、彼にとって僕を騙すことは答え合わせであり本題ではない

言葉を変えれば、僕達が塀の存在を認知してる事は既に知っており今回それを確認しただけ

だがそれもまた吊るされたヒントのひとつ

つまり、つまりだ

彼の本当に伝えたい事は

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作者名:共感性羞恥 | 作成日時:2023年7月29日 23時

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