バイオレットフィズ (ページ14)

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13話ページ14

*
sideレイ

「起きろA」

『…』

「起きねえとキスするぞ」

その瞬間Aがガバッと起き上がった

そんなに嫌かよ、とムカついたので頬にキスをした

ボフッと音がつきそうな勢いでAの顔が赤く染まる

『お、きてもするじゃん…』

「へーへー、次は1回で起きろよ」

ノ「…」

ノーマンの痛い視線を無視して弟妹たちの世話に向かった

…今日もまたどうでもいい仕事を振られるかもしれない

2ヶ月後にはここを出なきゃいけないとなると昼間自由に動けないことは俺たちを大幅に不利にする

エマとノーマンに根負けして全員で逃げることになったが、上手くいく見通しは未だ立っていない

でも、何としても生かさなければいけない

命にかえてでも…

イ「レイ？大丈夫？」

イベットの声で思考を手放す

「大丈夫、考え事をしてただけだ」

イベットを抱っこして食堂へ向かう

大丈夫、不自然な動きはしていない

十分に欺けている

マ「紹介するわ、新しい妹キャロルよ

そしてシスター・クローネ

ママのお手伝いに来てもらったの」

…マジかよ

エ「お…大人…？」

二人目…！

「それに赤ん坊(しんいり)が来るのもいつもより早い…」

あの仕事…あの監視の真意

あれはこのための準備と時間稼ぎだったわけか…！

出し抜くどころか出し抜かれている

マ「さ、シスター･クローネ」

ク「はい、今日からここで一緒に暮らします

どうぞよろしく」