第77話ローグタウン21『四面楚歌？』 ページ31
Aは置かれている立場が急変しようとも、全く動じることはなかった。
いいや、それは他者から見たAだけなのだが。
A自身は、余裕を崩したくないのか動揺を押し殺しているのだ。
そりゃあ海軍でもそこそこ名の通っている強い２人が、Aにとっての所謂”敵”という形に変わってしまったのだから、尻すごんでしまっても無理はないであろう。
それでもAは”物語の主要人物”の姉として、いや「４姉弟の長女」としてのプライドにかけて、いつだって気高くいたいのだ。
だからAはこんな急展開にも動揺を見せまいと、必死に笑っているのだ。
『ふふ。あーあ、折角友達になれたと思ってたのになぁー？』
それとも私のただの勘違いだった……？
そうやってほんの少しも傷ついてなどいない顔を作るのだ。
「友達どうこうの話ではないだろう。」
スモーカーは吐き捨てたように言うと十手を握り直した。
「…………。」
たしぎは何も言わないがAとコロに刀の矛先を向ける手は下ろされてはいない。
彼らはようやくAという人物が異質であることに気がついたのだ。
スモーカーは一気にAとの距離を詰めると、Aの片手で肩をがっしりと掴み、もう片方の手は首に当たるかのギリギリのところまで十手をやった。
そして、地を這うような低い声で言った。
「答えろ。何故”蒼龍”に化けれた？」
…能力者でもないのに。
Aはゴクリと生唾をのんだ。
初めて見るスモーカーの気迫に、またそれが自分に向かって当てられているという状況には、さすがのAも必死に隠してきた動揺を出さずにはいられなかった。
Aは自分の目を真っ直ぐに捕らえているスモーカーから目を逸らせなかった。
『私は、能力者……』
自分の声が震えていることに気がつくと、Aは何に腹を立てたのか声を荒らげて言った。
『私も悪魔の実ってやつを食べましたけど！？でも、海には嫌われないことになってんの！』
Aから告げられた衝撃の事実。
スモーカーは眉に皺を寄せた。たしぎにいたっては、え、なんて間抜けな声まで漏らした。
Aはその一瞬の隙を見逃さなかった。
スモーカーの拘束から抜けると、一瞬の隙にコロを掬いあげた。
スモーカーとたしぎがしまった、と思った時にはもう遅い。
『アデュー！！』
地上数十メートルもある窓から何のためらいもなく飛び降りた。
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Rinrin(プロフ) - Rirykaさん» ありがとうございますっ！続き頑張りますっ！ (2017年9月3日 10時) (
レス) id: 496abde9e0 (このIDを非表示/違反報告)
Riryka(プロフ) - Rinrinさんっ！続編読ませていただきましたっ！めっちゃ気になりますっ！頑張ってくださいっ！ (2017年9月3日 10時) (レス) id: 342d566b7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Rinrin x他1人 | 作成日時：2017年8月3日 0時
