セーラーゾンビ＆マジすか学園集 (ページ1)

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〇嫌味な関係性 (百花×睦美) ページ1

「私達って、仲良かったっけ、悪かったっけ」
突然、不思議そうに睦美が呟いたその言葉。そんなこと聞かれたって、前の事はあんまり覚えていない。ただ、一つだけ言える事は、過去の私は睦美に嫌われていただろうということ。
そう伝えると、睦美は私から目を逸らしながら、鼻で笑った。
「まっ、ももは女王様だったし」
睦美の仕草といい、口調といい、割と本気だったみたいで、少し胸に刺さるものはある。ほとんど、私の自業自得だけどね。

でも、言われてるだけじゃなんか悔しくて、私は思わず睦美に言い返してしまった。
「私だって、睦美のことは苦手だったんだけど。なんかカッコつけてるみたいで」
何それ、初耳なんだけど。そう言う睦美の口調は相変わらず強めだったけど、よく顔を見てみれば、眉が若干下がっているような気がした。自覚はあったんでしょ、多分。
ただ、素直じゃない子だからね。人の事言えないけど。

「でも、舞子が来る前から話はしてたよね」
確かにそう。特に、町中がゾンビで溢れかえって、学校で生活をし始めてからは。
決して、いい関係とは言えなかったんだけど。お互いがお互いの事を嫌いあってただけあって、嫌味とか皮肉の量が半端じゃなかった。見下しあってた、って言われても否定は出来ない。なんて言ってみると、
「あの時は、お互いピリピリしてたから」
睦美は、困ったように笑った。
そう、私はあのゾンビのせいで順調に進んでいた読者モデルの夢が壊されて、普段の生活も制限されたから、舞子がやってきた辺りの時期は、毎日のようにイライラしてたし、その分周りを見下して楽しんでいた。
いくら周りが見えなかったとはいえ、本当に最低だったと思う。

「ま、私だって、こんな事になって内心喜んでたし……」
後悔や、過去の自分に対する苛立ちが出ていたんだと思う。睦美は、私をフォローするように、静かにそう言った。
「親、友達、先生、全ての関係がなんかもう終わってて、将来の事について考えるのも、めんどかった」
ツインテールを弄りながら、吐き捨てるように言った睦美を見て、私は思う。「ああ、似たもの同士なんだな」って。私は、こんな風にカッコつけた子じゃないけど。って言って返されたのは、私もそんなにプライド高くありませーんって言葉。
相変わらず嫌味な子。前はそんな所が大っ嫌いだったけど、今は……面白いんだよね。