ブラッド・アクション

11-2　ロバート ページ46

ロキはトラック事故に巻き込まれたと聞いていたが、それからコピーボスの組織に入団したとは初耳だった。コピーボスが人間以上の兵器、機械を製造していることは噂で聞いていたが知り合いにそんな奴がいるとは思わなかった。


　俺は怪力男に首を絞められ、ロキは40代手前の男に鋼の内臓を蹴られている。どちらが勝敗に有利かは明白だ。俺はぐぬぬ、と呻き最後まで睨んでやろうと血走った。


「良い地獄の旅をな、ロバート」
「お、ま、え……がなっ」


　白色の発光に包まれて、次々にロキの腹部が構築されていく。俺の足が発光に包まれ、その部分をよけてアンドロイドが完全な形となった。顔面をマスクのようなもので覆うメッキが俺の苦肉の表情を綺麗に映し出す。くそっ、これで終わりか……？


　意識が薄くなりつつあった時、バゴンと強烈な地響きがした。


「うおっ……」
「あたった……のか？」


　首にかかる力がどっか吹っ飛んで行ったことを良いことに、俺は首に纏わりついていた腕をひきちぎった。2，3秒爆音がしてから俺の首をしめていたので咄嗟に腕を掴んだのである。身体は見当たらないが、腕は俺の両手にちゃんとある。ざまぁみろ。
　女以外の生物に馬乗りにされる趣味は俺にはありません！


「ゴホッ、ゴホッ……ヴェー、ゴホッ！」


　その場から転がり、適当な場所で四つん這いになる。身体が二酸化炭素だらけで気持ち悪い。ひどく咳き込んだ俺に声をかけてきたのは、小生意気に大型武器を持ったビアンカだ。


「ロバート、わりとガチ目なトーンでダサい」
「言うな！ ゴッホ、ヴェー……っ」
「百戦錬磨のロバート様があんなダサい機械にやられるかぁ？」


　ジェームズも良い気になりやがって……！


　映画でよく耳にする銃音、ガトリング銃がスプリングフィールドに響いた。一発一発がはっきりと聞こえない乱雑で驚異の銃速を誇り、今では入手も困難となっている代物。
　どうしてまた今――？


　バキッという音を最後に辺りは静かになった。コンクリートに軽やかなステップが踏まれ、屋上から遠征していたふたりが降りてくる。


「ロバート！ 大丈夫だったか？」
「次はキャロルさんの所に助けに行く。サイボーグがやばい」
「サイボーグだって？」

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