# 03 <過去:仮想世界> ページ4
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空夢幻心。その1人の人間が冒険者となったのは数ヶ月前。
《ロングヘアーかな?それからこの髪飾りをつけて…》
ディスプレイの外から聞こえる声。
その、女性にしては少し低い声は聞いたことがあった。
Aさん。私の主となる人。
この人が私のすべての人生、それから今までの平和な暮らしを改変した人__
私は村民として、畑仕事をしていた。
《次はそっちの水やりだ、おらおら、手を休ませねぇべ》
みんな忙しそうにせっせと働いていた中、この世界での大人、“12歳”に達し、私も働くようになった。
少し辛かったけど、でも、水に濡れた野菜の葉が太陽の光を浴びてキラキラしているのが安らぎになった。
ジョウロを傾けながら畑の中を前へ前へと進んでいく。黒い長靴は、土で汚れ、麦わら帽子は一歩一歩、揺れているのがわかる。
汗が少しずつ流れていくのも快感だったりする。それだけ、私にはこの仕事にやりがいを感じていた。
一仕事終わり、休憩場へ向かう途中、私は目眩を伴った。
その後、聞き覚えのある声。目覚めたら、私は露出多めな格好、その上、剣を持っていた。
そのあとは体が勝手に動いたりフリーズしたりの引き続きだった。
でも途中で気づいてしまった。私自身変わってしまったのだと。
立場も容姿も性格も、何もかもが。
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作者名:夜桜まお | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/457d94de031/
作成日時:2017年8月25日 18時