#16 <謎の少女 1> ページ17
4校時目も終了し、現在は給食だ。
今日の献立は、メロンパン、クリームシチュー、照り焼きチキンだ。
メロンパンなんて半年ぶりだった。それに照り焼きチキンも2ヶ月ぶりだ。
今日は特別な日というわけでもないが、こんな豪華な献立というのは滅多にないので心の底から喜べた。
給食は、班になって食べる。班は5人編成だ。
ちなみに一緒の班の人は、玲くん、絢斗くん、鈴香ちゃん、ゆりかちゃんである。
この班は席が近くの人同士で結成されるものだ。私が好んで入った訳ではないということを忠告しておこう。
他の班と比べると比較的この班は静かである。
そう。それでいいんだ。
こんな班もあるということも紹介しよう。
毎日恒例牛乳早飲み大会がある班。この班は女子もどうにかしてるね…
それから、しりとりで負けたら必ず完食大会がある班。
私はこの班じゃなくてよかったと思っている。なぜなら、私はしりとりが苦手だから。
実を言うと今の班で大変満足である。
「平和」だ。
_____________
5、6校時も終わり、もうとっくに放課後である。
「帰ろう。」そう思った時だった。
「話があるのだけれどお時間はいただけますか?』
見知らぬ女の子が顔をニヤリとさせ、私の服の袖口を掴んで言い放った。
「貴方は?」
『名乗りはしません。貴方とお話がしたいだけだもの。』
口が悪いと思わないでくれ。
「そう。では、なんの話をしにきたのですか?」
ため息混じりにそう言うと
『貴方には特殊な能力があります。』
一体なんの話だかさっぱりわからない。
『今はわかろうと思わなくてもいい。ただ、いずれ分かります。今ここでは、その一部に該当する“記憶改変”について語らせていただきます。』
何を言っているんだ…
『貴方は先生、担任の先生の名前又は苗字を知っている筈です。』
そうだ
「それは間違えない。担任だから。」
そう言うと
『担任の先生の名前又は苗字は貴方に与えようとしています』
理解不能だ
「何を、与えようと言うの?」
その回答は聞くべきではなかった。
『仮想世界を操る力』
私は彼女が何を言っているのか理解できなかった。
「何よ、それ」
その時だった。
《何やってんだよ!!》
聞き覚えのある声が聞こえた。
「クラスメイトの名前と不思議な少年の名前…?」
『ふふっタイミングが悪いこと。また会いましょう』
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作者名:夜桜まお | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/457d94de031/
作成日時:2017年8月25日 18時