主題と主体は全て君-6 ページ45
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side_MK
ずっと"台本通り"みたいな関係性だったものが、ほんの少しだけ前に進めたと思う。
いつも会う時見えない壁で阻まれた状態で、きっと1分、数秒のためにAはこの限られた時間で何を俺に伝えるか考えてきてくれる。
けど、その言葉もその笑顔も、俺自身が引き出してるものじゃないだろ？
人間の欲は怖い。
その話し方も、声も、笑顔も、俺が作り出してあげたい、俺が見えないところで知らないAの姿があるのが嫌になってしまう
だからもう、ほぼ無理矢理ではあるけど俺たちの事を阻んでいたものを壊したんだよ、A。
怖がらせたと思うし、混乱させてしまったのも分かる。
けどごめん、俺は今この状況をすごく楽しんでる。
Aが"本当の俺"に慣れて受け入れてくれて、いつか俺たちの距離が今よりも近づくのだって悪いことじゃないんだよA。
正解なんて俺たちが決めればいいんだからね
安心してよ、俺はこれから先もずっとまた、Aにハマり続けるしかないんだから
MK「……エギ、涙止まったね？」
『あ、う、うん、ごめん』
MK「ヤー、ちょっと待って。なんで謝るの？俺がAのこと混乱させたんだから。
俺の方こそごめんね、でもやめないよ。」
『わ、分かったから』
MK「あいごー、分かったの？いい子だね。」
『そろそろ、戻らない？わたしはるちゃん待たせてるし、まくもだれかと、きてるんだよ……ね？』
MK「うん、へチャニとね。」
『明日も公演残ってるし、ね、わたしも一旦1人になりたいの。』
MK「俺の事避けるなんてことしないよね？」
『しないよ！……そんなに信用、ないかな…？』
MK「いや？そんなわけないよ。大丈夫だよ。」
あー……………………可愛い
これキスしちゃダメ？
いやダメだろイ・マーク…………、キスなんてしてみろ、ブロックされて終わる、我慢してよ俺。
『じゃ、じゃあ行くね、まく、ありがとね、またあしたね……っ！』
そう言って俺の服の袖を掴んで、全然俺の身長まで足りてないけど背伸びをして、さっき俺が悩んでいたのを揶揄うように頬にキスをしてきた。
MK「え？……A、いや、ちょっ……、」
『頬じゃん……っ、あ、挨拶みたいなもんなんでしょ？な、なに動揺してるの、ばかっ』
いや、おかしい。俺これ我慢しなくて、いいよね？
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作者名：あ | 作成日時：2024年3月6日 2時
