主題と主体は全て君-5 ページ44
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MK「…A。
俺がすごく混乱させちゃったでしょ？ごめんね。」
そう言って止まることを知らないわたしの涙をずっと拭ってくれる目の前の、
だいすきなひと。
まくは出会った時からずっとそう。
ひとりひとりに優しくて、誠実で。
こんなにやさしい人をわたしは見たことがなかった。
だから今わたしだけに向けられるこの大きい愛情と、優しさが嬉しくもあり、怖くもあった。
まくの言う通り、わたしはすごく混乱しているんだと思う。
『……うん、混乱してる、すごく。』
MK「……ごめんね、でもAの顔見たらどうしても今言わなきゃいけない気がしたんだよ。
だから、俺が言ったことは全部本当だし、これからだってなにも変わらない。
………Aはどうだったか知らないけど、俺はさ、
もう何年も恋焦がれてたんだ、だから許してほしい。」
『ふふ、あー……、ねえ、ちょっとずるいんじゃない？そんなこと言われちゃったら許すしかないじゃん。』
MK「あーー、いや、ちょっとまって、そうじゃなくて……」
『大丈夫だよ、わかってるから。
……ねえ、わたしはどうしたらいいのかな。』
結局はそう、どうしたらいいのか分からない。
気持ちだけでなんとかなる、という問題じゃない気がして。
お友達のみんなや、ゆたくん、ロンジュンとかは"なにをそんなに気にしてるんだ"って笑うんだろうけど。
わたし、まくのことになるとこんなに弱かったかな。
ううん、違うよね。
まくのことを"一人の男の子として"気づかないうちに見ちゃったからだよね。
MK「………ヤー、ちょっと、そんな可愛い表情しないで。うん、そうだな。……一旦、スマホ貸してくれる？」
『ス、スマホ？いいけど……』
MK「はい、ありがとうA。
それ、俺のカトクだよ。
……念のために言うけど、ブロックとかしちゃダメだよ、わかってる？」
『なっ………、え！？なにしてるの…！？』
MK「いや？これでもすごく甘やかしてるよAのこと。
急かしたくないからさ、毎日話そう、A。そして俺に慣れてよ。
いい案だと思うんだよ、俺はもうAのこと諦めるつもりないし、Aの心の準備ができるのを待てばいいだけみたいだからね。」
ちょっとまって、なにこれ、夢……？
ううん、夢じゃない、だって業者や代行以外に居なかった友達欄に、一人、いるんだもん、異質を放った存在が。
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作者名：あ | 作成日時：2024年3月6日 2時
