主題と主体は全て君-4 ページ43
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『ま、まく、近いよ』
本当に、近すぎる。
まくのことを応援すると決めた日から彼氏なんぞ作った事がなくて、簡単に言ってしまえば男性への耐性がない。
あ、お客さんとか、もちろんノーカンだよ。
MK「ヤー、A近いんじゃなくて、俺が近くに行きたいからそうしてるんだよ。
頑張って話を逸らそうとしてるの、可愛いね。A？」
『だ、だから…、っ』
MK「……、はぁ」
まくはため息をひとつついて案外にもアッサリわたしから離れて立ち上がった。
なんなの、こんだけドキドキさせておいて。まくのばか。かなしいよ。
………ちょっと。なんでわたしいま"かなしい"って思ったの。
MK「…………………っ、はー、かわいい。」
『え』
あからさまに落ち込んだわたしを見て悪い顔で笑ったまくは、わたしの腕をグッと引っ張って、
気づいたら、まくの腕の中にいて、
＿＿＿＿＿………腕の中にいて？
『ちょ、ちょっと、まく！！？？』
MK「A、あんまり叫ぶと誰か来ちゃうかもよ。それとも今の状態誰かに見られたい？」
『そんなわけ……！』
MK「でしょ。じゃあ黙って俺の言う事聞いて欲しいんだけど？
エギは賢いから出来るよね？」
もう、お手上げだ、もう好きにしてくれ。
なに？イ・マークって、こんな感じなの？
わたしの知らないまくが居ることなんて当たり前なのに、なんでさっきからショックを受けてるんだろう。
あー………気付きたくない、気付かせないで。
MK「俺ね、はじめてAに会ってからずっと、
1秒たりともAのこと考えなかった時なんかないよ。
会いに来てくれるAに甘えていた部分もあるだろうけど、
俺がもう、いまのままじゃ我慢できないんだ、A。
言いたいこと、わかる？」
やめて、それ以上言わないで
もしかしたら何年も前からずっと心の奥底にあったかもしれないこの感情が
赦される気がしてくるじゃない。
MK「A、俺はずっと、Aのことが好きなんだよ。
あぁ、人としてはもちろんだけどそうじゃなくて
1人の女の子としてね。」
くるしい
くるしいのに、頭のどこかで"うれしい"っておもっちゃったわたしはファン失格なんだな。
わたしは、どうしたらいい？
こんなに涙出ることなんて、久々だよ。
そんな愛おしそうに涙拭かないで。
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作者名：あ | 作成日時：2024年3月6日 2時
