にじゅうごわです ページ26
「ロボロにお熱なのは知ってるけどな、俺らだってAが居ぃひんかったら寂しいねん。最近は誰も構ってくれへんようになって……」
「今は多分シャオロンさん辺りが暇してますよ」
つれない返事だ。でもしょうがない。こんな瞳になるのは、感情が余程高ぶっている時だけだ。滅多にワガママなんて言わないAが、ここまでしているのだから俺たちは止めようがない。
甘い? そんなのはこういう方針にしているグルッペンに言ってくれ。
「じゃあ……リーアを始末したら構ってぇな?」
「えぇ、もちろん」
慣れと言うのは怖いもので、もう人が死ぬのも殺されるのも何とも思わなくなった。職業柄、こういうのを考えていても苦しくなるだけというのもある。
ただし、幹部の誰かなら話は別だし、そもそも俺はそんなに恐怖を感じていた訳ではない。
「でも、難しいかもしれませんね。だってリーアは多分……」
沈黙の後、Aがこちらに顔を向けてふわりと微笑む。しかし瞳はまだ鮮やかに赤い。ということは、
「……戦争ないし暗殺。俺が活躍するんやな」
俺の予想は大きく当たったようで、Aが声をあげた。心底楽しそうに笑っている。だがAらしいというべきか、それは決して下品なものではなく、おしとやかで上品だった。
こんなことをしていたら、目覚めたロボロに殺されそうだ。いや、目覚めなくても殺ってきそうだ。
「では、そろそろリーアに構う時間なので、失礼しますね」
時間を取ってくれた事には感謝しつつも、俺は寂しくAの背中を見送った。
ふわふわと揺れる金髪の隙間に溢れんばかりの狂気をはらんでいるのが分かってしまう。分かりすぎてしまう。
「俺ってそういうん分かるヤツやったっけ……? いや、Aが分かりやすいって思っとこ」
本当は分かるはずなのに、人一倍鋭いと自負しているはずなのに、Aの根底にある狂気には気付きたくなくて、そんなおふざけを言う事くらいしか出来なかった。
何故って、Aのは純度が高すぎる。ロボロと同じように。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 491人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
林檎好き系猫 - 地上の昆布さん» 夢主さんは多分死に顔堪能したいのでゆっくり殺りますね。←こんなサイコの主人公で良いのだろうか (2019年12月8日 21時) (
レス) id: d94760e07b (このIDを非表示/違反報告)
地上の昆布 - リーア…爪剥がして四肢を切り落としたかった…←ただのサイコと心無し (2019年10月17日 4時) (レス) id: e7c9970669 (このIDを非表示/違反報告)
林檎好き系猫 - ウサギ餅さん» 夢主さんは多分躊躇いもなく目玉取りますね。←ロボロさん傷付けられたら心無くすので (2019年8月21日 22時) (レス) id: d94760e07b (このIDを非表示/違反報告)
ウサギ餅 - リーア…目玉取りたかった←私は心無いからきせんといて (2019年8月19日 21時) (レス) id: 81f7a86961 (このIDを非表示/違反報告)
林檎好き系猫 - るうさん» 書いている私もそんな心境です(笑) 是非最後まで見てやってくださいね! (2019年6月29日 18時) (レス) id: d94760e07b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
