4話:バレた? ページ5
『んー…?』
目を覚ますとそこは、全く見知らぬ場所だった。
怪我の処置もされ、おかげで痛みもそこまで酷くない。
「目が覚めた?」
知らない人の声。横を見ると、恐らく自分より年上の、けれど年齢は近いであろう人物が、こちらを見ている。
「ごめんね、さっきまで斉藤………タカ丸くんも居たんだけど、今は用があってね。」
タカ丸くんが居た…?ってことは、もしかしてここはタカ丸くんが急に「学校に通うんだぁ〜」と言い出した例の…?
………………にしては、なんだか火薬臭い。
ただの学校なのか…?
自分が通っている学校と、同じ匂いがする…。
先程の人とまた、目が合う。
「あぁ、ごめんね。僕は、善法寺伊作。よろしくね。」
手を差し出される。
『……八神…飛鳥です。よろしくお願いします。』
手を握り返す。…そして、そのまま聞く。
『ところで、ここは火薬を使って何をしている学校なんですか。』
少し動揺したように見えたが、向こうも笑顔で対応してくる。
伊作「君こそ、怪我の具合を見た時に気づいたんだけど、火傷以外に古い傷を見つけたんだよね。最近の傷もあるようだけど…。」
戦闘技術ばかり教わっているだけあって、怪我はほぼ毎日の出来事だ。
伊作「聞いた話だと、君は狂言師だってね。こんな怪我をする仕事なのかな。」
相手もこちらに探りを入れてきている…というわけか。
そこへ、なんとも呑気な声が聞こえてきた。
タカ丸「失礼しま〜す」
用を済ませてきたのか、タカ丸くんが帰ってきた。
タカ丸「あ!飛鳥くん、大丈夫?気分は?」
心配してくれていたのか。けど怪我人に飛びつくのはよくないと思う…
『大丈夫だよ、ありがとう。』
良いタイミングで入ってきてくれたおかげで、先程までのピリピリした空気が一気に無くなった。
タカ丸「もう、3日間も寝てたんだよ?」
『へぇ、3日間…』
……………………3日間?
『え。』
そんなに寝ていたのか…と、頭をかかえる。
そんなにこの学校や、えっと…善法寺伊作くん…?に、お世話になっていたのか…。
タカ丸「そうだ、時々うなされてたけど、どうしたの?」
うなされてた…?
『…どんな?』
タカ丸「うーん…、“僕のせいじゃない”とか、“嘘つきなんかじゃない”とか…」
言葉を濁しているところから、それだけじゃないってことはわかった。
今までの疲労とか、今になって爆発したのだろうか。
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作者名:草津蓮哉 | 作成日時:2020年1月26日 4時