3話:医療技術 ページ4
町民たちが、氷やら水やらを必死でかき集める。
タカ丸も町民から氷を受け取り、飛鳥の背中を冷やしていた。
飛鳥と出会ったのはいつだっただろうか。
自分も飛鳥もそれぞれ修行やら稽古やらで忙しくて、同年代の友達と遊ぶなんて滅多になかった。
しかしある日、いつも猿楽前にやってくる八神さんが、自分と同年代ぐらいの男の子を連れてやってきた。
八神「今日はコイツもお願いします。この後初舞台なんですよ。」
なにやら難しい話を父さんとしていたけれど、当時まだ小さかった自分も飛鳥も、内容は理解していなかった。
ただ、今度2人で遊ばせてあげよう、というところだけはしっかり聞き逃さなかった。
その日から、2人は稀にできる暇な時間を共に過ごすようになった。
他の子達みたいに外で元気にーなんてことはなかったが、室内で絵を描いたり、互いに髪結いや猿楽の練習なんかに付き合ったりもした。
飛鳥から色々なことを聞いた。
はっきりとした年齢が分からないってことや、お母さんは遊びに来る度に手作りのお茶菓子を持ってきてくれること、お父さんは演技が上手くて、お爺さんは厳しくて、けれど優しくて……。
忍術学園へ編入してからは全く会えなくなってしまったが、まさかこんな再会になるとは……。
そんなことを考えている間に、いつの間にか学園の先生方が傍に来ていた。
そう、忍術学園の先生方が…………………
タカ丸「…え?」
八神「失礼ですが、あなた方は…?」
そりゃあ、急に知らない人が、それも複数人が急に現れたら町民達も困惑するだろう。
タカ丸「あ…、えっと…先生です、僕が通ってる学校の…。」
言葉を濁しながらも、とりあえず怪しい人ではないことを伝える。
山田「この町に住んでいる方から連絡をいただいてやって来ました。我々の学校の医務室なら、火傷の対応もできます。」
確かに、この町内でこの大怪我の対応はほぼ不可能だった。
考えつつも、八神さんは了承した。
八神「どうか、飛鳥をよろしくお願いします…。」
土井「…というわけだ。斉藤、手伝ってくれないか?」
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知らない人が運ばれてきたということもあり、学園内は騒がしくなっていた。
果たして忍者の学校ということを、隠し通せるのだろうか。
これも、学園長の突然の思いつきなのだろうか。
不安になりつつも、医務室外ではいつもの通りの日常が過ぎていった。
ラッキー学年orコンビ等
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作者名:草津蓮哉 | 作成日時:2020年1月26日 4時