私が君を選ぶ番3 (ページ9)

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side緑

流星たちとあっくんの所へ行った帰り道、さっきのことが頭の中でグルグルしていた

あっくんのツガイ相手が渋谷先生…
そう告げられた時、俺はきっと間抜けな顔をしていたんやろう

あの冷静な淳太くんですら驚いて言葉を失っていたから

青｢あのさ…その渋谷先生って誰？｣

沈黙を破ったのは申し訳なさそうな流星の声

流星の質問に答えるあっくん
あっくんは自分自身にも言い聞かせてるみたいに渋谷先生のことを話し出した

この学校の音楽を担当していること、歌が上手く一時はプロを目指していたこと、この辺りじゃ知らない人はいないくらいの有名人なこと(原因は不明)

他にも俺らが知らんような話もしてくれたんやった

青｢照史、もう起きてるかな？｣

緑｢話し終わった途端すぐに寝ちゃったもんね｣

流星と話しながら廊下を歩く
さっきの事について流星も驚いていたみたいで｢そんなこともあるんやなぁ…｣なんて呟いとる

青｢あ、あのさ…｣

緑｢うん？｣

寮の前まできて、流星に呼び止められた
少し言いにくそうにしてるのが不思議やった

青｢今週の日曜日あいとる？｣

緑｢えっ…！｣

青｢勉強教えて欲しくて｣

まさかと思っていた淡い期待が一瞬で崩れた
それでも流星に誘われたことが嬉しくてすぐに返事をする

青｢よかったぁ〜、神ちゃん教え方上手いって人気やから駄目かと思ってたんよ｣

緑｢人気って…あ、もうこんな時間やで！｣

近くにあった時計を見ればもう19時を指すところ

緑｢送ってくれてありがとうな、また明日ね｣

青｢おん！バイバイ神ちゃん！｣

手を振りながら後ろに下がっていく流星に俺も手を振り返した

緑｢ただいま〜…って濱ちゃん！｣

紫｢神ちゃんおかえり｣

ソファーに座りながらご飯を食べてる濱ちゃんがにこやかに手を振っていた

机には俺の分のご飯もあり自然と濱ちゃんと並んでソファーに座る

緑｢濱ちゃんは知ってたん？あっくんのツガイ相手のこと｣

紫｢んー？2人が怪しい関係になり始めてから知ってたで｣

緑｢怪しい関係って(笑)でもあっくんと渋谷先生が話してるとこあんま見たことないな…｣

紫｢あんな…｣

ニヤニヤしながら小声になった濱ちゃんに俺も耳を傾ける

内緒話をするみたいに教えてもらったことを想像したら可笑しくなってきた

濱ちゃんもいたずらっ子みたいに笑っていて
2人でクスクスと笑いあった