私が君を選ぶ番3 (ページ6)

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side紫

緑｢あっくん大丈夫かな…｣

あの後、淳太とアルファ組は体育祭に残り俺と神ちゃんは照史についていった

照史が倒れてとった1位なんてなんも嬉しない
表彰も断り、2人で保健室に向かっていた

緑｢あっくん！｣

ドアを開けたらベッドの上で体だけ起こしている照史が手を振っていた

橙｢ごめんなぁ、心配かけてもうて…｣

紫｢ええやん！心配くらいかけときや｣

緑｢そうやで！｣

照史は嬉しそうにヘラっと笑った

まだ体調が悪いのかどこか元気がなさそうで
それを神ちゃんも感じたのか｢大丈夫？｣と声をかけている

緑｢みんな体育祭終わったら来れるって！アルファ組は時間が限られてるからちょっとやけど｣

照史がいるのはオメガ用の保健室だからか、アルファ組は決まった時間にしか来られないことになっている

それでも照史は嬉しそうに｢もう、そんなええのに…｣と呟いた

橙｢あっ…やっぱり2組は負けちゃったやろ…？｣

緑｢それは…｣

普段から八の字の眉毛がさらに下がっている
多分、自分が倒れたせいで負けたんじゃないかって考えているんやろう

すごく繊細で泣き虫なくせに1人で責任を背負おうとするところは小さい頃かなんも変わってない

ん…？まてよ……

小さい頃を思い出していたら１つ引っかかるものに気がついた

それは本当に小さいことやったけど、考えるうちに少しずつ大きくなっていって

もしかしたら…
あの日照史になにがあったのか、なんで今まで元気がなかったのかわかったかもしれへん！

でもそのことは俺からじゃなくて、照史から言った方がいいに決まっている

俺は神ちゃんに飲み物と淳太達が何時くらいに来るか聞いてきてと頼んだ

神ちゃんは快くOKしてくれて、｢出来るだけはやく戻るな！｣と保健室をでていった

俺が今から照史に聞くことはただの憶測にしか過ぎひんけど

それでも照史が一歩踏み出す糧になってくれたらええな