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side緑
桃「神ちゃん!一番いい席でリレー見ようや!」
のんちゃんに連れられて来たのはゴールの真ん前の席、放送席やった
俺の隣にはシゲが座っていて、マイク片手になにやら真剣な顔をしていた
のんちゃんは「めっちゃええ席やろ!」なんて自慢げにしとるけど、邪魔にならないか心配だった
緑「大丈夫なん?こんなとこ…邪魔やない?」
桃「大丈夫やって!生徒会長の権力をフル活用したんやで!」
屈託ない笑顔をするのんちゃんの横でドヤ顔をしてる淳太くん
多分、1番ダメな権力の使い方やろうな…
いよいよリレーが始まろうとしてた
流星はいつになく真面目な顔でスタート位置に立っていた
「よーい」と担当の先生が叫ぶ
パンッと音がして一斉にスタートダッシュをきった
流星は出遅れたものの少しずつ抜かしていき、ついにいちばん最初にバトンを渡していた
その顔は嬉しそうで、俺まで笑顔になる
キョロキョロと辺りを見渡していた流星と目が合った
目が合った瞬間にフッと笑うもんだから一気に体温が上がる
それが恥ずかしくてリレーの方を見ればちょうどあっくんがバトンを受け取ったところやった
遅れて濱ちゃんが受け取り、ついには2人の接戦になっている
去年は濱ちゃんがあっくんを抜かして1位やったけど、今年はあっくんが1位やな
おそらく誰もがそう思ったはずなのに
実際にゴールテープを切ったのは濱ちゃんやった
濱ちゃんも戸惑っているようで、呆気からんとしてた
当のあっくんはというと
ゴール手前でうつ伏せに倒れていた
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ペンギン(プロフ) - この作品も大好きで更新を楽しみにしていたので寂しいです。これからも頑張って下さい。 (2018年6月18日 8時) (レス) id: c34058457d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かのん | 作成日時:2018年4月8日 0時