諸君、よく見よ。これが新たなブラック本丸だ (ページ9)

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行き成り何なんだと、残された審神者、刀剣男士は神妙な顔で薬研の帰りを待っていた。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！！」

違う部屋にいるはずの薬研なのだが、薬研の叫び声が響き渡る。
いきなりの事に大袈裟に肩を揺らし日本刀の柄に手を沿える刀剣男士。
やっぱりあの女ァ！薬研に何かしたのか！
一同が乗り込もうとえっさこっさと立ち上がった時だった。

「それは治療道具じゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！！！！！」

場違いすぎる薬研の叫び声に刀剣男士の頭の中で疑問符がくるくると回っている。

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！！」

3度目の薬研の叫び声が響き渡って1分後、ふらふらとした足取りで新品同様つるぴかな薬研になって帰ってきた。しかし、足元はおぼつかなく顔色は悪い。

「やっ、薬研！大丈夫なのかいっ！？」

抱き着こうとする兄に薬研は来ないでくれと片手で口を抑えながら頭を振った。
ああ！もう！薬研がいつものように「いち兄～」(なお、頭の中で脳内変換されている様子)と私の胸に飛び込んできてきゃっきゃうふふしていたのにお前のせいで来なくなってしまった！
そんな意味を込めて兄はキッとAを睨みつけた。

「なァに…治療しただけさ。…それともアンタも治療してほしかったかい？」

ニヤァ、と口角を悪魔の様に怪しく上げて笑うAに兄は思わず目線を外した。
代わりに薬研に目線を当て頭を撫でながら「薬研、あの人間に何かされたのかい？話してごらん。斬ってあげるから」と言う。