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泣きながら入った自分の部屋。



扉に寄りかかって座ったとき、前にもこんなことがあったことを思い出した。










侑李が転校しちゃったときだ。












思い出に浸っているとき、そういえば・・・と、手紙の存在を思い出した。




当時は何が書いてあるのか怖くなり、気になったけどそのまましまってしまった手紙。




忘れかけていた記憶を頼りに手紙を探す。







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机の一番左。いつもは絶対に開けない鍵がかかった秘密の引き出し。




中を開けると予想通りあのときのままの形で手紙が入っていた。自然と涙が溢れてくる。





でも、空っぽになってしまった今の私には当時のような思いはない。覚悟はできている。








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丁寧に折りたたまれた手紙を震える手でゆっくりと開く。





懐かしい思いとともにこみ上げてくる涙が邪魔をして文字がぼやける。






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涙を拭うと見える侑李の字。









『Aへ


急でごめん。ずっと大好きでした。幸せになってね。さようなら。 侑李』







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「侑李っ・・・。」






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たった4行の短い手紙。





『今までありがとう。』とか『元気でね。』とかたいていあるような文じゃなくて・・・。






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「なにそれっ・・・。勝手に『でした』なんて終わらせないでよ・・・・。」






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震えた小さなつぶやきのような声。






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「私も、・・・好き。



侑李がいないのに・・・・幸せになるなんて・・・・・ばかじゃないのっ?



・・・侑李なしじゃ、・・・・幸せになんてなれないよっ。」









誰にも伝わることはなく、静かに淡く、後悔だけを残して消えていった。





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作者名:悠華 | 作成日時:2019年12月2日 18時

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