無愛想な隣人 (ページ6)

今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:12,646 hit

6.友達がいいページ6

"A､友達って､俺じゃなきゃあかんのか？"

その言葉が頭をぐるぐると回る｡部屋の中に入り暗い室内に上がると布団の上に倒れ込み､ぼーっとしてしまう｡早く御飯を食べて早く寝なければと思う度に体は鉛が乗ったように重くなる｡

ふと､彼が居る隣の壁を見詰めると重たい体を起こし歩み寄り､壁に手を這わせ二回ほどノックする｡聞こえるはずも無いか､と納得すればコンビニ弁当を食べ風呂に入り布団に潜り込む｡早く明日を迎える為に｡

『し､しまった！寝過ごした！あれ？今日..休みだっけ｡なら､いっか｡』

布団から飛び起きたもののまた眠ろうとした時､インターフォンが鳴り慌てて着替え髪を手櫛で整えてから扉を開けると､明らかに不機嫌そうな彼がバットを肩に乗せ立っていた｡おもわず扉をそっと閉めようとすると隙間から黒い皮の手袋を着けた手が入り込み､それの邪魔をする｡

『な､なんですか!?私何もしてませんけど!?』

「トモダチ､やろ？ええやんか～｡少しぐらい..話しても､なあ？」

満面の笑みを浮かべた彼はとてつもなく気味が悪く､背筋に悪寒が走った程だ｡然し､何の用があったのだろう｡仕方無く適当なシューズを履き外に出る｡

「アンタの事待ってたんやけど｡"何時もの"無いから何かあったんかと..｡」

『何時もの..？』

何か約束した訳でも無いのに待っていたと言われても分からず小首を傾げ考える素振りを見せる｡ぴんと来たものがあり､悪戯な笑みを浮かべ彼にずい､と近付けば｡

『おはようございます､真島さん｡』

「なっ､何やその顔｡はー..､心配するだけ無駄やな｡今日空いとるんやろ？なら､行くで｡」

彼が紅く顔を染めていたのは気の所為だろうか｡大人としてはダサい服を思い出しまた部屋の中に戻りクローゼットを漁る｡寒い季節の為､暖かくして行こうと白いニットと､脚を細く見せる為のパンツを選び其れを着る｡それと赤いマフラーを巻き､外に出ると彼に駆け寄り共に階段を降りていく｡

『あ､雪｡真島さん､初雪ですよ！っふふ､友達と初雪見れるなんて嬉しいですね｡』

「雪か､.. ｡綺麗やな､雪も｡せやけど､ .. 雪を見る時間も与える気は無いみたいやな｡」

雪が音を立てずに降り積もる中､真島の前に三人の男が立ち塞がり真っ直ぐ彼を見詰めていた｡思わず彼の後ろに隠れてしまう｡大きな手が私の頭に乗り雑に撫でた後､バットを強く握り込みその三人をあっという間に倒していく｡

「..､ええかAワシから離れんなや｡」