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(貴方side)
頬に触れてみたら熱くて心配になった。
熱が出てしまったら、仕事や毎日しているレッスンにも影響が出てしまうだろうから。
私の熱が移ってしまったなら尚更申し訳なくて。
「ほんとに大丈夫?」
少し上にある彼の顔を下から覗き込めば、彼の手が肩に置かれて
「………?…」
額と額をくっつけられた。
私を見つめる彼の瞳は優しくて
深い藍色に吸い込まれてしまいそうで
さっきまで紅かったはずの彼の顔は、どこか落ち着いていて、優しくて
更に、私の頬に彼の手が添えられた。
─────ドクン、ドクン
心臓が急に活発に動き始める。
顔が急激に熱くなり、彼に触れられている額や頬、肩には更に高い熱が集まってくる。
視線を反らしたいはずなのに、何故か反らせない。
顔が赤くなっているだろうから隠したいのに、視線を遮れない。
カチッと金縛りにあったかのように、彼に視線がロックされる。
─────かっこいい、なぁ
「……っ…!ご、ごめん」
「………ぁ」
パッと顔が離れ、肩に置かれていた手も頬に添えられていた手も離れる。
……私、今、勇次郎のこと、かっこ、いいって、思った…?
いつも、一緒にいるのに
見慣れている、はずなのに
「……ご、めん。急に、変なことして……熱、は、ほんとにないから」
「なら、よかっ…た」
「……A、熱上がったりしてない、よね?」
「だい、じょうぶ」
「ほんと?」
「ほん、と」
「顔、紅いよ?」
「へい、き。だいじょう、ぶ」
そう言うと彼は安心したように私の頭にポンと手を置く。
今までは落ち着いていたはずなのに何故か顔が熱を持つ。
優しく微笑み深い藍色の瞳で見つめてくる彼に、キュッと胸を締め付けられる。
「……ゆ、夕飯、作らなきゃ」
「病み上がりなんだから今日ぐらい大人しくしなきゃダメ。僕が作るから」
「私作るよ。疲れてるでしょ?」
「大丈夫。今日は終わるの早かったしそんなに疲れてないから」
「でも_____
「じゃ、体育祭のお願い事2つ目。今日はもうあんまり動かずに大人しくしとくこと。いい?」
「そんなことにお願い事使っていいの?」
「そうでもしなきゃA動くでしょ?」
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あーー(プロフ) - ハリネコさん» 朔藍です。宮永はまだまだ出します!他のオリキャラも(作者の気が変わらなければ(笑))これからも読んでいただけると嬉しいです!! (2022年1月26日 23時) (レス) id: 7586c4e066 (このIDを非表示/違反報告)
ハリネコ(プロフ) - あーーさん» やっぱ面白かったです!あ、これ私の本アカです。宮永キー人物だ…! (2022年1月26日 21時) (レス) @page34 id: 6af24d38bc (このIDを非表示/違反報告)
あーー(プロフ) - ハリネコさん» 朔藍です。ほんっとにコメントありがとうございます!最高の褒め言葉です…! (2022年1月17日 18時) (レス) @page28 id: 7586c4e066 (このIDを非表示/違反報告)
ハリネコ - いや、なんかもう最高ですね( ´∀` )b (2022年1月17日 17時) (レス) @page28 id: 690aee62a7 (このIDを非表示/違反報告)
あーー(プロフ) - ハリネコさん» こんばんは、朔藍です。4度目のコメント本っ当にありがとうございます!この作品、なんせ作者の妄想ですので!夢小説ですので!(笑)勇次郎これからも凄いかもです(笑)これからもよろしくお願いします! (2022年1月9日 0時) (レス) id: 7586c4e066 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朔藍 | 作成日時:2022年1月1日 7時