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(貴方side)



週末は寝込むことになったけれど、体育祭振り替え休日の朝には彼の至れり尽くせりな看病のお陰か身体の怠さはなくなっていた。



小腹が減り、あったはずのお菓子を食べようとソファーから移動していたら朝早くに出た彼が帰ってきて捕まり、


何故か私は今







「はい。なんで僕がAに説教しようとしてるか分かりますか」







椅子に座らされ、目の前で立っている彼に問いただされています。







「……迷惑かけたからですか?」



「違う。迷惑とかそもそもかけてないから」



「…………」



「…………」



「……分かりません」



「だろうね」







『はぁ』と彼は溜め息を吐くと、しゃがみこんだ。







「Aは無理しすぎ」



「え、無理?してないよ?」



「無自覚とかもっと重症だから。


体育祭のとき体調悪いって言わなかったこと。

借り物競争のとき、もうしんどそうだったのに宮永の誘いを断らなかったこと。

ていうか、入場のときからしんどかったんでしょ。

終わってからも救護テント行ってないし」



「言ったら心配かけるだろうなって……」



「倒れたのに、家に帰ってこず直でバイト行くし。

しかもあの日はシフトじゃなかったでしょ。

それで無理して熱出たんでしょ。

体調崩したらダメじゃん」



「………」







ぐうの音も出ません



正しくそれが正論です



全部その通りです







「別に怒ってはないよ。ただ」







彼は下から私の顔を覗き込んでくる。







「もうちょっとぐらい自分のことも考えな」



「……はい」



「少なくとも僕の前では自己中なくらい自分のこと考えてもいいよ」



「え、いや……」



「異論は認めませーん。はい、今Aがしたいことは?なんですか?」



「え、いや、特には」







……ちょっとお腹空いた、ぐらい



でもそんなの、勇次郎の話が終わってからお菓子を取りに行けばいいだけ





言い淀む私の目の前に、彼は掌を出した。



手を取られ掌に乗せられたのは、私がいつも買っているお気に入りの、今家にはなかったはずのチョコ。







 

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あーー(プロフ) - ハリネコさん» 朔藍です。宮永はまだまだ出します!他のオリキャラも(作者の気が変わらなければ(笑))これからも読んでいただけると嬉しいです!! (2022年1月26日 23時) (レス) id: 7586c4e066 (このIDを非表示/違反報告)
ハリネコ(プロフ) - あーーさん» やっぱ面白かったです!あ、これ私の本アカです。宮永キー人物だ…! (2022年1月26日 21時) (レス) @page34 id: 6af24d38bc (このIDを非表示/違反報告)
あーー(プロフ) - ハリネコさん» 朔藍です。ほんっとにコメントありがとうございます!最高の褒め言葉です…! (2022年1月17日 18時) (レス) @page28 id: 7586c4e066 (このIDを非表示/違反報告)
ハリネコ - いや、なんかもう最高ですね( ´∀` )b (2022年1月17日 17時) (レス) @page28 id: 690aee62a7 (このIDを非表示/違反報告)
あーー(プロフ) - ハリネコさん» こんばんは、朔藍です。4度目のコメント本っ当にありがとうございます!この作品、なんせ作者の妄想ですので!夢小説ですので!(笑)勇次郎これからも凄いかもです(笑)これからもよろしくお願いします! (2022年1月9日 0時) (レス) id: 7586c4e066 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朔藍 | 作成日時:2022年1月1日 7時

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