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(勇次郎side)
「やっぱ柴崎教え……ダメかぁぁあ」
「悪ぃ、俺からは教えられねーわ。こうやって話し聞くぐらいは出来るけど」
「だよな……どうやったら連絡先交換できると思う?」
「とりあえず話しまくって仲良くなるとかじゃねえか?仲良くなってからもう一回聞いてみるとか」
「クラスだとやっぱ他の男子の視線が痛すぎるんだよな。さっきはあんま男子いなかったから大丈夫だったけど……頑張るしかないか」
宮永、Aに連絡先聞いた、んだ
Aは、断った、のか
ダメだと、分かっている。
今の会話を聞いただけで、宮永が本気で彼女と連絡先交換をしたがっていることも分かった。
彼女に宮永が好意を向けていることも、間違いないだろう。そのことも、分かっている。
けれど
どうしたって、ホッとしてしまう。
口元が緩んでしまう。
彼女が宮永の言葉よりも僕の言葉を優先してくれたのではないかと思えてきてしまう。
宮永と話していても、僕の言葉を思い出してくれていたのではないかと思えてきてしまう。
安堵や嬉しさ。
けれど、それを追いかけてくるかのように感じるのは
謎の苦しさ。
こうやって、彼女と宮永が連絡先を交換しなかったことに安堵して。
……で?
僕は、何も出来ない。
あのときは自分のことなんか分からず、ただただ宮永を彼女に近付けたくなくてそう言った。
けれど、今は違う。
彼女に対し“好きだ”という感情を自覚し、それによる影響も知っている。
僕のこの気持ちを、彼女に伝えるわけにはいかない。
表に出すわけにはいかない。
だから、何も出来ない。
でも、他の奴に近付いて欲しくない。
近付けさせたくない。
これからどうすればいいのかも、ぐちゃぐちゃになってきている感情への対処も分かるわけがなく。
愛蔵に声を掛けず、リレーの練習場所に戻った。
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あーー(プロフ) - ハリネコさん» 朔藍です。宮永はまだまだ出します!他のオリキャラも(作者の気が変わらなければ(笑))これからも読んでいただけると嬉しいです!! (2022年1月26日 23時) (レス) id: 7586c4e066 (このIDを非表示/違反報告)
ハリネコ(プロフ) - あーーさん» やっぱ面白かったです!あ、これ私の本アカです。宮永キー人物だ…! (2022年1月26日 21時) (レス) @page34 id: 6af24d38bc (このIDを非表示/違反報告)
あーー(プロフ) - ハリネコさん» 朔藍です。ほんっとにコメントありがとうございます!最高の褒め言葉です…! (2022年1月17日 18時) (レス) @page28 id: 7586c4e066 (このIDを非表示/違反報告)
ハリネコ - いや、なんかもう最高ですね( ´∀` )b (2022年1月17日 17時) (レス) @page28 id: 690aee62a7 (このIDを非表示/違反報告)
あーー(プロフ) - ハリネコさん» こんばんは、朔藍です。4度目のコメント本っ当にありがとうございます!この作品、なんせ作者の妄想ですので!夢小説ですので!(笑)勇次郎これからも凄いかもです(笑)これからもよろしくお願いします! (2022年1月9日 0時) (レス) id: 7586c4e066 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朔藍 | 作成日時:2022年1月1日 7時