39 ページ39
○
1人、我ながら恥ずすぎること言いまくったなと急激に顔に熱が集まってくるのを感じていると、凛はそれに気付いているのかいないのか、今まで揺れていたはずの瞳を私に向けていた。
“俺を見ろ”と、“目を逸らすな”と伝えながら私の意識を縛ってくる綺麗なその瞳に囚われる感覚。
この感覚になったのは、久しぶりな気がする。
この感覚も、こうやって本心を晒して凛を諭すのも。
前にあったのは確か_______
_______高1の冬。
一コ下の凛が中3のとき。
その日は朝から酷く肌寒く空模様が怪しい日だった。
冴くんから帰国すると一言だけメッセージが入っていたことに気づきはしたけど部活に参加していた私は部活時間と被っていたから迎えに行けなかった。
本当は明日帰国予定だったけど早まったらしい。
そろそろ冴くん日本に着いたかなー、部活終わったら糸師家に行こうかなーと部活中のんびり考えなが洗濯機を回していたときに冴くんの声が聞こえたときは自分が可笑しくなったのかと本気で疑った。
「おいA」
だって思わないでしょ。冴くんが部活中に高校に来るとか。
部活ジャージで寒い寒いって凍えながら洗濯機のところにいたら振り返ったところにレ・アールのジャージ着てスーツケースを持った冴くんがいるとか。
「……………え?」
「今日帰国するってメッセージ入れただろ」
「え、いや今日私部活……ていうかここ高校…」
「行くぞ」
え、うっそん。嘘でしょ。嘘すぎない?『行くぞ』?今『行くぞ』って言った??私に着いて来いって…こと??
え、私部活中………と戸惑いつつ「洗濯物干すからちょっとだけ待ってて!」と冴くんに声を掛け、キャプテンとマネの先輩に「用があるので今日は抜けます!すみません!」と告げて帰宅準備を始める私も私だけど。
全速力の速攻でいろいろ片し、通学カバンと部活カバンを手に持って冴くんのところに急ぐ。
「ごめん冴くん。おまたせ」
あれ、なんか冴くん顔色よくない…?
隈もできてるし、少し痩せた気がする。
「A」
「なに?」
「凛の中学って、俺が通ってた中学と同じだよな」
「え?うん。そうだけど……今から凛に会いに行く?」
「………あぁ…」
1036人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みじゅまる。(プロフ) - こんにちは。とても素敵な作品やと思いました、自分、あまり日本語得意ではございませんが仲良くしてくださると嬉しゅうございますわ。これからもよう頑張ってくださいませ。ボードに話しかけるのは駄目でしょうかいな?。仲良くしたいです。 (6月28日 19時) (レス) id: 2b8d2ab93c (このIDを非表示/違反報告)
朔藍(プロフ) - ハロネコさん» いつもありがと (2023年2月27日 18時) (レス) id: 7586c4e066 (このIDを非表示/違反報告)
ハロネコ(プロフ) - すき (2023年2月27日 17時) (レス) @page13 id: 6af24d38bc (このIDを非表示/違反報告)
朔藍(プロフ) - 乱中 久さん» 千切くんの方もこっちも読んでくださってるのですか…!!!2作とも読んでくださりコメントもくださり本当にありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2023年2月11日 22時) (レス) id: 7586c4e066 (このIDを非表示/違反報告)
乱中 久(プロフ) - コメント遅くなりましたが、こちらの作品の更新もありがとうございます!朔藍さんの書く軽妙なやりとりがとても好きです。これからも更新見守らせていただきます。 (2023年2月11日 20時) (レス) id: e6695fc53b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:朔藍 | 作成日時:2023年2月2日 21時