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多分私は慣れすぎてるんだ。私の毎日の中に凛と冴くんが居ることに。この二人に振り回されまくることに。
一緒に居ることがもう当たり前すぎてるから。
「は?なんで帰るんだよ」
「え、だって多分私今から怒られるからそしたら来れなくなるし帰らなきゃじゃん」
「ならそっち行かずに俺と来い」
「そんなことしたら余計怒られるじゃん。ここに無断で来たんだから叱られるのはそりゃそうだなって感じだし」
「帰るなんて許さねえよ」
「私の話聞いてた??」
《無駄話してる暇があるなら早く来い。俺も暇じゃない》
やっば。行かなきゃ。
えーー、凛ーー、腕掴まないでよーー……凛のその表情に弱いんだよ私。
見棄てないでくれ。
傍に居てくれ。
俺を見てくれ。
たまに私に向けられる凛のこの表情に、私はめっぽう弱い。
「……じゃあ、帰る前に凛の部屋寄るから部屋の場所教えて」
もーーーーー、何言ってんの私ぃいーーー
結局凛に負けてんじゃんかぁぁぁあーー
凛はこういうことを計算して出来る性格ではないと、長年の付き合いで分かっている。
だからこそ、私は凛のこの表情に弱かった。
**
「あ、あのー……失礼します…放送で呼ばれた生瀬Aなんですが…」
「初めまして。俺は絵心甚八」
「は、初めまして。生瀬Aです」
「なんでそんなに来るのが遅かった?今は学校に行ってないでしょ?Aちゃん」
…………ん??え、お叱りとかじゃ…ない??
『なんで来るのが遅かった?』?
まるでもっと早く私が来るだろうと思っていたかのような言い方。
わけが分からずも、こちらのことなど全て見透かされそうな黒い目に見抜かれたら何か言わなければという思いに駆られ、正直に最近のことを口に出すことにした。
「…えっと……糸師冴選手の付き添い、というかマネージャーのようなことをしていました。糸師選手とは幼馴染で」
「なるほどな。いつも糸師冴と糸師凛に振り回されているAちゃんらしい理由か」
「???」
「今糸師冴はスペインにいるはずだから確実に糸師凛と来ると思っていたが誤算だったな」
「??????」
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みじゅまる。(プロフ) - こんにちは。とても素敵な作品やと思いました、自分、あまり日本語得意ではございませんが仲良くしてくださると嬉しゅうございますわ。これからもよう頑張ってくださいませ。ボードに話しかけるのは駄目でしょうかいな?。仲良くしたいです。 (6月28日 19時) (レス) id: 2b8d2ab93c (このIDを非表示/違反報告)
朔藍(プロフ) - ハロネコさん» いつもありがと (2023年2月27日 18時) (レス) id: 7586c4e066 (このIDを非表示/違反報告)
ハロネコ(プロフ) - すき (2023年2月27日 17時) (レス) @page13 id: 6af24d38bc (このIDを非表示/違反報告)
朔藍(プロフ) - 乱中 久さん» 千切くんの方もこっちも読んでくださってるのですか…!!!2作とも読んでくださりコメントもくださり本当にありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2023年2月11日 22時) (レス) id: 7586c4e066 (このIDを非表示/違反報告)
乱中 久(プロフ) - コメント遅くなりましたが、こちらの作品の更新もありがとうございます!朔藍さんの書く軽妙なやりとりがとても好きです。これからも更新見守らせていただきます。 (2023年2月11日 20時) (レス) id: e6695fc53b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朔藍 | 作成日時:2023年2月2日 21時