検索窓
今日:17 hit、昨日:36 hit、合計:112,716 hit

36 ページ37

(貴方side)



なにか物音がしたのと、覚えのある匂いがしてきて目が覚める。



いつの間にか突っ伏していた顔を上げると目線のしたには数学の課題が広がっていた。



ほとんどが手付かずの綺麗な状態で。





……うわ、やったわ、これ



さっさと終わらせるつもりだったのに





慣れているはずなのにバイトの疲れからか眠ってしまっていたらしい。



ふと、背中になにか温かいものを感じた。



組んでいた手をほどき背中に手を回すと見覚えのあるブランケットがかかっていた。





……なんで?



寝落ち、してたのに







「あ、A起きた?おはよ」



「……え?」







声がした方に顔を動かすとそこには勇次郎が立っていた。







「勇次郎!?え、なんで!?」



「なんでって、今10時半だよ」



「え、うっそ」







壁にかけている時計の針は彼の言う通り22時半を指していた。





あ、夕飯出してない!!





眠気が吹き飛んだ身体を立ち上がらせると、ブランケットが床に落ちた。





……もしかして、勇次郎がかけてくれたのかな





お礼を言おうと彼がいるキッチンの方に向かう。



目の前の机の上には、数時間前に作った料理が並べられていた。



それが意味していることは。







「あ"……夕飯の用意ありがとう」







…まじか、私、まじか



疲れている勇次郎にいろいろさせて寝てるとか



……おい、まじか、私、なにしてんの…







「Aが作ってくれた料理出しただけだよ」



「ごめん……いろいろありがとう……」



「いつもしてもらってるじゃん。何も特別なことはしてないよ」







椅子に座りながら彼が可笑しそうに笑う。



その笑顔に、どこか安心感を覚えた。



最近の彼は気難しそうな顔ばかりだったから。



下がっていた気持ちが少し上がり、自然と口角が上がりながら彼の正面の椅子に座る。



夕飯を食べ始めると彼が口を開いた。







「Aって、数学苦手だったんだっけ」



「え"、なんでそれを……」



「前に言ってたし数学のノート開きっぱなしで寝てたから」



「…そうですよ、私には数学ムリですよー……」



「数学ちょっとだけなら教えよっか?」



「え、ほんと!?」







全く進む気配がなかった明日提出の数学の課題に希望が見えた。



 

37→←35



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (66 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
222人がお気に入り
設定タグ:HoneyWorks , LIP×LIP , 染谷勇次郎
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

朔藍(プロフ) - ハリネコ@サブさん» ハリネコさん!!お久しぶりです!!連載中に頂いたコメントでもすっっっっっごく励まして頂きました本当に感謝感謝すぎる泣泣最高の読者様に読んで頂けて好きになって頂けてこれほど作者冥利に尽きるものはないです泣泣ありがとうございます大号泣 (9月13日 18時) (レス) id: 2d55a4ee9e (このIDを非表示/違反報告)
ハリネコ@サブ - 藍朔さん‼お久し振りです。サブから失礼してますハリネコです!久々に読みたくなっちゃって来ちゃいました笑もう五週目とかほんとにこの作品好きすぎてやばーいいい笑何回読んでも最高です! (9月13日 15時) (レス) @page5 id: 690aee62a7 (このIDを非表示/違反報告)
あーー(プロフ) - 相川あゆさん» ありがとうございます!今更で返信遅くてすみません…続きも読んでくださると嬉しいです!これからもお願いします! (2021年12月31日 16時) (レス) id: 7586c4e066 (このIDを非表示/違反報告)
相川あゆ - 推します (2021年10月22日 7時) (レス) id: 1dc4ab95d2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:朔藍 | 作成日時:2021年10月21日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。