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(勇次郎side)





なぜか事務所のロビーでAに会ってから。



雑誌の取材をなるべく早く終わらせて一階の休憩スペースに向かう。





もしかしたらいないかもしれないと少し思うけれど、なんとなく彼女はいる気がした。





足早に歩き目的地に着くと目に入ったのは案の定、彼女の姿。



スマホを片手にイヤホンで音楽を聴いている彼女は、僕が来たことに全く気がついていないらしい。





ここで普通に出ても…なんかつまんないな





なんとなく、彼女の背後に回って。



後ろから両手を伸ばし彼女の両頬に触れ、斜め下を向いていた顔を上に向かせてみる。



彼女は座っているから必然的に僕が上から見下ろすような体勢。



驚いたのか、彼女は目をまん丸にさせながらイヤホンを抜いた。







「ゆ、勇次郎!?普通に声かけてくれたらよくない!?」



「なんかそれだとつまらないなって」



「なにそれー」







頬を紅くしながら軽く反論してくる彼女の正面の席に座る。



おそらく彼女が疑問に思っていたことはこれだろう。







「涼海は僕らのマネージャー見習いだよ」



「マネージャー見習い?」



「そ、去年から」







一応涼海と内田さんから教えてもいいという許可はとった。



僕の言葉を上手く消化できていないのか、顔をポカンとさせる彼女。







「ここは僕らが所属してる芸能事務所だよ」



「え、まじか。全然知らなかった」



「Aは?」



「え?」



「なんでここに?」



「カフェのデリバリーで来たの」



「バイト?」



「うん、バイト」







……え……てことは…



家のことは全部Aにやってもらってるのに、プラスバイトもしていたって、こと?







「折半じゃなくて僕が家賃とか生活費とか全部払おうか?」



「え、いいよいいよ。私も払うから」



「……そ」







給料はそれなりにもらっているから彼女一人くらいの生活費とかは無理なく出せる。



家のことは全部任せっきりだからこのぐらいさせてほしいけど速攻で迷いなく言ってきたから頷くことしか出来なくて。







「あ、私そろそろ戻らないとやばいから行くね」



「うん、分かった。気をつけてね」







こちらに手を振り駆け出して行く彼女をなんとなく、姿が見えなくなるまで見送った。



 

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朔藍(プロフ) - ハリネコ@サブさん» ハリネコさん!!お久しぶりです!!連載中に頂いたコメントでもすっっっっっごく励まして頂きました本当に感謝感謝すぎる泣泣最高の読者様に読んで頂けて好きになって頂けてこれほど作者冥利に尽きるものはないです泣泣ありがとうございます大号泣 (9月13日 18時) (レス) id: 2d55a4ee9e (このIDを非表示/違反報告)
ハリネコ@サブ - 藍朔さん‼お久し振りです。サブから失礼してますハリネコです!久々に読みたくなっちゃって来ちゃいました笑もう五週目とかほんとにこの作品好きすぎてやばーいいい笑何回読んでも最高です! (9月13日 15時) (レス) @page5 id: 690aee62a7 (このIDを非表示/違反報告)
あーー(プロフ) - 相川あゆさん» ありがとうございます!今更で返信遅くてすみません…続きも読んでくださると嬉しいです!これからもお願いします! (2021年12月31日 16時) (レス) id: 7586c4e066 (このIDを非表示/違反報告)
相川あゆ - 推します (2021年10月22日 7時) (レス) id: 1dc4ab95d2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朔藍 | 作成日時:2021年10月21日 21時

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