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(勇次郎side)
「ねぇ、A」
「?…なに?」
「僕、こういう仕事してる、し」
「うん」
「デートしたり遊びに行ったり、恋人っぽいこととか、あんまり出来ないと思う。……多分、Aを不安にさせたりも…すると思う」
「うん」
惜しく思いながら、抱き締めている腕の力を緩める。
「隠さなきゃダメだし、仕事のことしか考えられなくなってるときもあると思う。……Aにとっていいことなんてないかも____
「いいよ」
顔を上げれば、ふわりと笑っている彼女と視線が絡んだ。
僕が好きな、彼女の笑顔。
「私は勇次郎が好きだから。傍にいられるなら何でも大丈夫だよ」
「っ……」
「仕事とかレッスンを大事にして頑張ってる勇次郎も、ちょっとへこんでたりする勇次郎も。どんな勇次郎だって全部好きだから」
そこまで言って恥ずかしくなったのか、彼女はハッとしたように顔を紅く染めて俯き『な、なにか…言ってください』と言いながら僕のシャツを握ってくる。
なに、可愛すぎ
なんでこうも僕が欲しい言葉をくれるかな
今まで一緒に暮らしてきた中で見せてしまった情けない姿も、仕事のことも、全部含めて好きだと言ってくれるのか。
「ぅわっ!」
可愛すぎて愛しすぎて、ついぎゅうっと強く力を入れてしまう。
好きだという気持ちが溢れて止まらない。
「A、僕と付き合ってくれる?」
「私なんか、で、いいの…?」
「Aがいい。Aじゃないとやだ」
彼女がどんな表情なのか知りたくなって、腕の力を少しだけ緩め、額と額をくっつける。
恥ずかしがっているのか、視線を下げている彼女。
『僕を選んでくれますか?ジュリエッタ』と少しふざけた口調で言えば彼女は顔を上げ視線を絡めてきた。
そして再び、僕が好きな笑顔でふわりと優しく笑う。
「───はい、王子様」
その笑顔を見れたのが、その言葉を聴けたのが、二人きりのこの場所でよかったと心底思った。
「ねぇ、A……キス、していい?」
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朔藍(プロフ) - レナナミル♪さん» お久しぶりです!番外編にて、FT4のYUIさんに登場してもらってます!口調とかが掴めていないかもしれませんが…ご了承ください…一応ご報告です!ぜひどうぞ! (2022年8月2日 20時) (レス) id: 7586c4e066 (このIDを非表示/違反報告)
あーー(プロフ) - 蒼空さん» 朔藍です。恐れ多い言葉ばかりで…!本当にありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しいです!これからも是非こちらの作品(作者の妄想詰め込み小説笑)をよろしくお願いします! (2022年5月15日 16時) (レス) @page36 id: 7586c4e066 (このIDを非表示/違反報告)
蒼空(プロフ) - 初めまして!もうキュンとニヤニヤが止まらなくてたまらずコメントさせていただきました!素敵すぎて好きすぎてやばいです!こんな話を書いてくださってありがとうございます‥!これからも応援してます! (2022年5月15日 15時) (レス) id: b8b12cd672 (このIDを非表示/違反報告)
あーー(プロフ) - ハリネコさん» 朔藍です。満点評価ぁ!ありがとうございます!!ハリネコさんのような方に読んでいただけて作者は幸せ者です… (2022年3月30日 17時) (レス) id: 7586c4e066 (このIDを非表示/違反報告)
ハリネコ(プロフ) - 読み終わるたんびに10点評価を押して「すでに投票済みです(無効)」って書かれるのは私だけ??? (2022年3月30日 16時) (レス) @page35 id: 6af24d38bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朔藍 | 作成日時:2022年3月16日 7時