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(勇次郎side)
泣い、てる?
無理矢理過ぎた?
僕が、泣かせ____
「彼女、いるんじゃ、ないの…?」
「いないよ。告白されたのは断った。…Aが好きだから」
Aが好きだと、勝手に漏れる本音。
また感じた、暖かな水滴。
「……ごめん」
腕を解き、彼女から身体を離す。
……嫌、だったかな
さっきまで喧嘩っぽくなってたのに、いきなり抱き締められて
…でも、もう、これ以上自分の中に溜め込んでおくのは無理だった。
川坂さんや宮永を選ぶ前に、少しでも、伝えたかった。
例えフラれようと、少しでも伝えたかった。
彼女は、何も言わない。
それが、彼女の返事。
「……ごめん、忘れて」
思っていた以上に、声が震えてしまった。
彼女が向かおうとしていたリビングと廊下を繋ぐドアに向かう。
意味もなく、無意識に口元を手で覆う。
そこで指先が濡れるのを感じ、自分が泣いていると気がついた。
……なんで、泣いてるんだよ
勝手に告白したくせに
フラれるって、分かってたのに
頭では分かっていたつもりでも、いざ現実になればとても耐えられるものではなかった。
「…っ、ごめん……ちょっと頭冷やし____!?」
───────ギュッ
腹に感じる、細い腕。
背中に感じる、暖かな体温。
香る、僕が好きな、彼女の匂い。
「…っ……A…?」
情けないほど声が上ずった。
なんで、こんなことするの?
フるなら、こんなことしないでよ
…ほら、また、抱き締めたくなるじゃん
余計に、諦められなくなるじゃん
「……っ、好き」
………え…?
腹に回っている彼女の腕の力が強まる。
「…私にも、言わせてよ……勇次郎、だけ…ズルい、よ」
ドクンドクン、心臓が痛いほど強く早く脈打つ。
「勇次郎が…好き。……私、勇次郎のこと、好きだよ」
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朔藍(プロフ) - レナナミル♪さん» お久しぶりです!番外編にて、FT4のYUIさんに登場してもらってます!口調とかが掴めていないかもしれませんが…ご了承ください…一応ご報告です!ぜひどうぞ! (2022年8月2日 20時) (レス) id: 7586c4e066 (このIDを非表示/違反報告)
あーー(プロフ) - 蒼空さん» 朔藍です。恐れ多い言葉ばかりで…!本当にありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しいです!これからも是非こちらの作品(作者の妄想詰め込み小説笑)をよろしくお願いします! (2022年5月15日 16時) (レス) @page36 id: 7586c4e066 (このIDを非表示/違反報告)
蒼空(プロフ) - 初めまして!もうキュンとニヤニヤが止まらなくてたまらずコメントさせていただきました!素敵すぎて好きすぎてやばいです!こんな話を書いてくださってありがとうございます‥!これからも応援してます! (2022年5月15日 15時) (レス) id: b8b12cd672 (このIDを非表示/違反報告)
あーー(プロフ) - ハリネコさん» 朔藍です。満点評価ぁ!ありがとうございます!!ハリネコさんのような方に読んでいただけて作者は幸せ者です… (2022年3月30日 17時) (レス) id: 7586c4e066 (このIDを非表示/違反報告)
ハリネコ(プロフ) - 読み終わるたんびに10点評価を押して「すでに投票済みです(無効)」って書かれるのは私だけ??? (2022年3月30日 16時) (レス) @page35 id: 6af24d38bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朔藍 | 作成日時:2022年3月16日 7時