今日はもう : 山内健司 ページ8
山内 side.
同期の Aと会うのは何ヶ月ぶりだろう。
「はぁ〜 今日飲み過ぎたぁ...。」
今日は久々という事もありサシで飲みに行った。
夜の東京の夜景を眺めながら、NSC時代はよく大阪でサシ飲みしたなぁと思い出に浸っていると、
「山 好きな人出来た ？」
出た。Aは酔うとすぐ恋バナに移そうとする。
いつもは出来てへんと嘘をつくけれど、お互い忙しくてサシなんて滅多に出来ないので 今日こそは本当の事を言う事にした 。
「出来た 。」
少しの沈黙。Aが目を見開く。
「え。ほんま...？」
「ほんま 。」
さっきまでの口調は何処へ行ったかの様なAの動揺ぶり。
その動揺期待したい、なんてうっすら頭の中で浮かぶけれど、それはAにとってどう思うか分からないから辞めとこう。
「...一気に酔い冷めた。 誰なん！ 教えて！」
「嫌や ...。」
また無邪気に はしゃぐ彼女は 、 何処か少し寂しそうな顔をしていた。
「なぁ...。私の好きな人教えるから...。」
ん...？
教えてくれるなら...と渋々彼女にOKサインを出す。
「えぇっと ... 、 、 。 私は ... 。 山の事...好きやから ...。」
...？？ 一瞬夢かと思ったが、こんなに都合の良い夢はない。
「...あ、そうなんや ...？」
「やから ...。 山の好きな人...教えて欲しい...そしたら諦める。」
ここはあまりツンツンせずに、本当の事を伝えるべき。
「俺もAの事好き。」
これからやっと一緒になれる。
少し肌寒い..10月の夜。
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作者名：RhCl3 | 作成日時：2021年9月1日 20時
