夜廻 (ページ3)

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格好つけたように俺は言う。何処かの誰かが書いた本に、その言葉が出てきたのかもしれない。

「...!! はは。ええやん心中なんて。素敵やんか」

どうしても彼女には勝てないようだ。何でも肯定してくれる、その姿に俺は首ったけ。

『...まだ良いですよ。心中なんて。飲みましょう。』

「...おん、のむちゃんが嫌ちゃうかったら泊まって行こうかな思って。」

『良いですよ。泊まってってください。』

「ありがとう。のむちゃんは頑張り屋さん、嫌いな人なんて居らんよ。」

どうも余裕がある彼女を驚かせたい、そんな一心で言ってやる。

『じゃあAさん...。付き合って下さいよ。』

少し照れが入った事、彼女は気づかないでくれるだろうか。

「...!? 好きやでのむちゃん...。付き合おか。」

最後に大好きな人と付き合えて、余裕な彼女の驚いた一面を見れて幸せ。

不安なんてもう無い。足りないのはAさんやった。

心中なんてもう考えはしないけど、もし2人で行き場に困ったら。

その時は一緒に星になろう。