あの生意気系後輩が帰ってきました。

kumamoto. ページ21

広報用の文章を一通り打ち終わり、飲み物でも買いに行こうと廊下に出ると、紳くんが「あ」と声を漏らして近づいてきた。

「え、え、なになに、こわいって」

『強制連行ね、A馬刺し好きっしょ？美味しいとこ教えてあげる』

.

「え、ほんとになんで？」

目の前にはショウゴさんと紳くん。そして美味しそうな馬刺し、ほぼ紳くんが食べてるけど。

異様なこのメンツ。彰悟さんともご飯は行く方だし、仲もいい。紳くんも、ご飯は誘ってくれんし来てもくれへんけど仲はいい。けど、けどけどこの3人は異様なんだ。熊本兄弟と呼ばれるこの二人が一緒に馬刺しを食べてるのが不思議で不思議。あと紳くんが飲み屋に来ているのも不思議。本当になぜ？今日は何があった？Xデーってこの事なのか？


車屋「なんでって何、今日予定あった？」

「いや、無いんやけど、車屋谷口が私服で一緒に居るっていう光景が不思議すぎて…」

私服で一緒にいるって何、って彰悟さんのツッコミが来たけどそれは私も知らん。小さい頃からお互い知ってるであろうけど、距離を保ってると言うか、鷺沼兄弟に比べれば全然スキンシップも会話も少ない方だし、プライベートまで一緒に居るなんて事ないと思ってた。なんか不思議。不思議だらけ。

「熊本兄弟ってあれなんや、プライベートも結構絡む系の？」

谷口「いや、そんな事ない。なんなら大学が最後だったかも」

えっ、それならなんで私を呼んだ？

「え。どっちから誘ったんですか？ご飯。紳くん？」

谷口「いや、俺」


強制連行の意味とは？彰悟さんもお店入った時ちょっとあれ？って顔してたもんな。なるほど。車屋紳太郎くんはしょうごさんとのサシ飯が久しぶり過ぎて恥ずかしかったんやな。なるほどなるほど。分かる分かる！サシ飯って恥ずいよな！馬刺し奢ってくれるらしいし、謎は解けたし来て良かった？のかも。まぁ知らぬ間に馬刺しが無くなってるんやけど。

「副部長、この後ボウリング行きましょか」

車屋「行こう」

谷口「あー！俺ボウリング出来ないからって省くのひどい」

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