あの生意気系後輩が帰ってきました。

ao. ページ11

「あおさん久しぶり、空港以来だね」

『そうね、今日はAが人生の先輩として奢ってくれるらしいからめちゃくちゃ楽しみにしてた』

「いや、割り勘……でも頑張ったからなぁ、お姉ちゃん、奢ってあげちゃう！」

脇坂『ヤスト嬉しい！』

「いや泰人には奢んないよ」

脇坂『なんで？』

あと何日かでブレイクも終わり、ドイツに帰国しないといけない。その前にAと泰人くんは、お疲れ様会を開いてくれた。正直めちゃくちゃ嬉しい。泰斗くんとは久しぶりだし、Aとはカタールでもまともに話せてなかったから。

ついこの間までAは泰斗くんに年上だからと気を使っていたから、こんなに距離が縮まったんだ！と驚いたし、微笑ましかった。妹を見るような感じ、いや立ち位置的には弟だけど。

「あ、泰斗あかん！オフシーズンだからって暴飲暴食！」

そこ泰斗の悪いとこって奥さん言ってたよ！チクッちゃうよ！って必死にお箸を止めようとするA。

脇坂『いやA、奥さんと繋がってないでしょ！』

俺も、繋がってないでしょ…とか思ってた瞬間、Aは携帯のディスプレイを見せてきた。

「え？いや…普通に繋がってるんやけど」

なんなら電話でもしよか？とコールしようとするAを俺は全力で止めた。

『え、なんで？いつ？』

「泰斗が100試合記念の時！来てくれたからお話してたら仲良くなって…」

前まではコミュ障だから！と言っていたのに…いや、前もコミュ障では無かったな。純也くんスタイルだ。

脇坂『ええ…なんかヤダ』

嫌って何？！ってギャーギャー騒いでるA。やっぱり、久しぶりに友達に会うと楽しい。結局今日は泰斗くんの奢りだった。

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