不思議な国のトーキョー (ページ6)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:1,661 hit

暗闇のトーキョーページ6

「「僕は、鬼さっ！」なんて言ってるけど鬼なんかこの世に本当にいたんだ...」
さっきまで捕まっていた夜美ちゃんが驚きすぎた顔で言った
「あっ！そういえばちゃんとこっちの条件を聞いてくれるの？」
「だから！僕に、その男の子を食べさせないとダメなのぉ！」
(この男の子が可哀そうだなぁ～。助ける方法は無いかな～)
「どうしても？」
私は聞いた
「んんまあ、どうしても、かな？そんなに言うなら別にこの人から離れてあげてもいいけど勝負は引き分けになって君たちは永遠にこの暗い建物の中だよぉ？いいのぉ？」
「も、もちろん、、、」
「えっ？夜美ちゃん？」
(えっ！？まさか、この男の子を見捨てるのっ！可哀そうだよっ！)
「もちろんっ！その子を解放してあげてっ！」
親友の決断は合っていた
「オッケー、ひっきわけぇ！あっ！そうそうバイバイ僕この体から離れるから」
「いつかまたこの暗闇の国のトーキョーで会えるといいね。」
(暗闇のトーキョー？ここが？だったら前のトーキョーは何のトーキョーだったの？意味わからん)
するとダンボールの体が光りだした、太陽も登らなそうなこの暗闇のトーキョーが一瞬だけ白く染まりかけた。
そしてある純粋そうなまだ世界を知らなそうな可愛い声が響いた、
「ううぅぅぅゔ」
何か黒いものが抜けていくようにダンボールの体は力が一気に落ちた。
「か、解放者？」
最後にそんな声が聞こえた気がする。