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『雲羽の、あっ、く、うさんの才能って、…』

雲羽(さん付けするのめんどくさいので)の才能って何だろう?
っていうか今髪色変えたよね!?瞳の色まで!
じゃあ、姿を変えられるとか何か…?

「私の、才能は、“変化(へんげ)”みたいなものかな?あと、…別に、雲羽、でもいいけど…」

変化ってなんか、神々しそう…
だから、なんか、姿…変えられたんだ…!
あぁ、でも時々来る乙女な一面、どうやって対処すればいいか分からない〜

「でもね、正式名称何て、才能にはないの。仮として“変化”何て呼んでるけど、私は気に入らない。だから私は、“トランスフォーメーション”って呼んでるの。こっちの方がかっこいい気がして、ね!」

ニヘっと笑う雲羽、まるでずっと探してきた仲間が現れたような顔。僕は雲羽の仲間なのだろうか?

『えっと、雲羽…その、裏の世界って何?』

「ふふっ、そのうち分かるよっ!だって、今から行くもん。 えっと、この飴食べるんだっけ?」

イチゴ飴のようなピンク色の飴を、口の中に放り投げた雲羽は、またまた、白い霧に包まれた。

「ほーら、そ、空も食べて…!」
霧の中からの手から飴を差し出してきた。

これ、なんか間近で見ると凄いピンク色だけど…食べていいのかな?
「はーやーく!」

『わかった、わかった! えーい!もう食べちまえ!』

コロッとした飴は口の中で絶妙な酸味、甘味を奏でていた。
これが本当の飴ならば、今まで食べてきたのはまずい砂糖の塊。
もしかしたら、人生の中で食べてきた何よりもおいしいかもしれない!

『んまっ!(うまっ!)まみこえ?(なにこれ?)ほんとに飴?』
しかし、物の数十秒で、綿あめのように消えて行ってしまった。

「ええ、これホントに飴よ。っていうか、コッチの世界の食べ物は私、あんまり好みじゃないわ。もっと甘くしてほしい…ほらあの、なんか緑の草?スース―するやつ…あーわかんないーっ最低限の知識しか身に着けなかったこと、失敗だったわ〜」

『ハーブ?』

「そう、それ、コンビニでその飴、買ったんだけど、すっごい、スース―しててびっくりしちゃった!どうにかできないの?でも、アイスにしてチョコレートと入れたやつは合格ね!」

グルメの話にずれて行ってるー
でも、何でこれなめさせられたんだろう?

『何でこれ舐めなきゃいけないの?』

「あ、ごめん。つい、食の話になると…あのね、それを舐めることで、裏の世界に行けるようになるの!こっちの世界の人でもね」

裏→←雲 【後編】



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作者名:白井ユエ | 作成日時:2021年5月24日 18時

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