猫が四十七匹。 ページ49
『つい、た！！』
目の前に広がる大きな町。
まさに大都市と言わんばかりに、人が大勢いるのが、遠く離れた森からでも見えた。
『あれが、Ａ国。』
あまりの凄さに思わずごくりと喉をならした。
シャオロンの家を旅立ってから約二週間。
国境を越え、歩き、森で夜を明かし、
親切な人に、(少し時代遅れな気もするが)馬車なんかに乗せてもらいながら、
やっと見えたＡ国。
シャオロンの国は、入るときは色々聞かれるらしいが、
どうやら出るときはないもないようで助かった。
ここの国はどうなんだろう。
そんなことを考えながら、
この一週間ですっかり履き慣れてしまった、
靴底が磨り減ってる靴で森をガサガサと抜ける。
そこで、ふと思い出す手元の麻袋について。
元は紙袋だったが、水に濡れたり、木に引っ掛かけて穴が開いたりしてしまっていたものを、
これまた親切なおじさんが、麻袋をくれたのだ。
ここ三日は森の中をずっと移動してきていたので、
ウィッグもカラーコンタクトもつけていなかった。
うっかりそのまま出ていくところだったと、
思い出した自分を誉めながら、
近くの水辺に駆け寄る。
Ａ国は大国であるからと、
軽く顔を洗い、だぼだぼの服から露出している部分も濯ぐ。
少し、伸びてきた髪の毛が出てこないように丁寧にウィッグの中にしまい、
黒髪になる。
青い瞳と、彼とお揃いの黄色い瞳に、もう一回お別れをして、黒目になった。
………さぁいこうか。
力を手に入れるために。
報復と、恩返しのために。
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海翔(プロフ) - コメントありがとうございます!!!本気で自己満でしかないものにそう言ってもらえるととっても嬉しいです!!(*´∀`) (2020年11月13日 18時) (
レス) id: 5f7ebbff92 (このIDを非表示/違反報告)
ユンソク(仮)(プロフ) - なんて言うんだろう、簡単にまとめると好き。 (2020年11月12日 0時) (レス) id: cdb5775375 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海翔 | 作成日時：2020年10月4日 10時
