猫が三十四匹。 ページ36
『はいっ、たぁ……？』
em｢入ってます！！入ってます！！黒目です！！｣
じわじわ涙が滲む目を、擦ってしまわないように、パチパチと必死に瞬きをする。
エーミールさんの言葉に手鏡をちらりと見れば、
すっかり黒髪、黒目になった俺。
ちょっと目元は濡れてるけど、怖かったし、痛かったからしょうがないよね。
長かったカラーコンタクトとの戦闘を終え、ようやく一息つく。
em｢これ、三十四日分あるんです。
前、茶色を買おうと思ったら、間違えて黒を買っちゃって。
そのときのあまりなので、良かったら貰ってください。｣
エーミールさんがそう言って、
俺がカラーコンタクトとのバトルのため、
預けておいた紙袋を渡してくれる。
『………ありがとう、ございます。』
確かに、カラーコンタクトとウィッグなら、
地毛は染まらないし、目の色も変えられる。
こんなものを持ってるってことは、
エーミールさんも、特殊な色だったりするのだろうか？
まぁでも、他人にそこまで深入りする必要はないだろう。
それに、俺の地毛も聞かれたってあまり説明したくはないし。
『あの、本当に、ありがとうございます。
俺、引ったくり捕まえといただけなのにわざわざ………。』
em｢いえいえ！このバックの中には凄く大事な物が入っているんです。
だから、感謝してもしきれないくらいです！｣
俺がお礼を言えば、そう手をひらひらと振るエーミールさん。
優しい人だなぁ……。
シャオロンたちは、この国はこのままだと終わる、みたいなことを言っていたけど、
こんなに優しい人もいるんだね。
……どれだけ上の人間が使えないやつなんだろう。
まぁとりあえず、エーミールさんはこのまま軍に用があるらしいので、
ここで別れて、一旦家に戻ることにした。
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海翔(プロフ) - コメントありがとうございます!!!本気で自己満でしかないものにそう言ってもらえるととっても嬉しいです!!(*´∀`) (2020年11月13日 18時) (
レス) id: 5f7ebbff92 (このIDを非表示/違反報告)
ユンソク(仮)(プロフ) - なんて言うんだろう、簡単にまとめると好き。 (2020年11月12日 0時) (レス) id: cdb5775375 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海翔 | 作成日時：2020年10月4日 10時
