猫が二十八匹。 ページ30
??｢本っ当に助かりました！ありがとうございます！！！｣
『いやいや、貴方も怪我なくてよかったです。』
警察に引ったくり犯を引き渡し、軽い事情聴取だけ受けた後、
俺に向かってペコペコと何度も頭を下げる茶髪の男の人。
引ったくられた彼だがどうやら怪我はなかったようで安心した。
??｢っっ！！本当にありがとうございます！
凄いですね、あんながたいの良い方を押さえつけてしまうなんて、！｣
『え、あー、そうですかね？』
??｢はい！！｣
別にそこまで大変なことをしたわけではないのに、
たくさんのお礼と称賛の言葉を送られてしまい、
どういう反応をとればいいのか困って、
下手くそな作り笑いを彼に向ける。
??｢あの、もし良かったら、お礼をさせていただきたいのですが……。
あ、私、エーミールと申します！｣
すると、お礼をしたいとまで言い出した茶髪の男の人ことエーミールさん。
『え、いやいや。
そんな大したことしていないんで、本当。』
em｢え、で、では、何か困っていることとか……。｣
俺が手をヒラヒラして、遠慮するも、
エーミールさんは、ぐいぐいと食い下がる。
『………困ってる、こと？』
困ってることが、ないわけではない。
軍隊についてなにも知らないし、
力もないし、
まず、容姿をどうにかしないとだし。
でも、容姿についてなんて、エーミールさんに言ったって解決しないと思うし。
俺がそう思って首を捻れば、困っていることがあるのだと察されてしまい、
｢どんなに小さいことでも良いですよ！！｣
なんて、後押しされてしまった。
話すだけなら……減るわけでもないし。
人の善意を断るのもなんか申し訳ないから。
俺はそう思い、口を開いた。
『………ええと、この髪色と目の色のことなんですけど。』
言いながら俺はそっと髪に触れて、俺を見てくる彼の目を見つめ返す。
エーミールさんの目は綺麗な茶色だ。
………でも、どこか単調な雰囲気がある。
すると、困っていることを聞き出せて嬉しいのか、相槌として何度も首をふる彼。
……なんかこの人、俺より年上なのに、俺よりも純粋みたい。←
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海翔(プロフ) - コメントありがとうございます!!!本気で自己満でしかないものにそう言ってもらえるととっても嬉しいです!!(*´∀`) (2020年11月13日 18時) (
レス) id: 5f7ebbff92 (このIDを非表示/違反報告)
ユンソク(仮)(プロフ) - なんて言うんだろう、簡単にまとめると好き。 (2020年11月12日 0時) (レス) id: cdb5775375 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海翔 | 作成日時：2020年10月4日 10時
