猫が二十七匹。 ページ29
人間よりは遥かにいいこの耳は、少し遠くから発せられたその音を難なく拾いあげた。
その音の方向を見れば、
何か茶色いバックのようなものを抱え込み、
タックルでもするように前のめりになりながら走ってくる男の姿。
がたいのいいその男の姿を見て、
悲鳴のようなものをあげ、道を避ける女の人の姿も目に入ってくる。
これは、止めるべき？
あまりにも突然すぎて体が強ばる。
止めないと。
でも、何故か、無意識にそう考えた脳にしたがって、
｢どけっ！！！｣
俺に向かってそう吠えるように言い、目の前を通りすぎようとしたその男の足を
｢っウワッ!?!?!｣
引っ掛けた。
バックを抱えていたせいだろう、無様にも顔面から地面に突っ込んだ彼が、
顔を押さえながら立ち上がろうとしてくるのを、
しっかりと上から抑え込んだ。
重心を移動させて立ち上がってこれないように。
下からの力と上からの力では、
重力が味方してくれる上からの力の方が強いから。
獣人でよかった。
この年齢で人間だったらきっと、この男に押し退けられていただろうから。
｢ｯﾁｯ!!どけっ！！このくそやろう！！｣
そんな暴れまわる声を適当に聞きながして、
引ったくられたバックの持ち主なのだろう、
息を切らしつつ、駆け寄ってきた茶色い髪の男の人に声をかけた。
『あの、警察に通報お願いします。』
??｢は、はい！！｣
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海翔(プロフ) - コメントありがとうございます!!!本気で自己満でしかないものにそう言ってもらえるととっても嬉しいです!!(*´∀`) (2020年11月13日 18時) (
レス) id: 5f7ebbff92 (このIDを非表示/違反報告)
ユンソク(仮)(プロフ) - なんて言うんだろう、簡単にまとめると好き。 (2020年11月12日 0時) (レス) id: cdb5775375 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海翔 | 作成日時：2020年10月4日 10時
