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その日の夜、スニョン達と宿舎に戻ろうと準備を終えると、練習室の灯りがまだ着いていることに気づいた
ホシ「あ、電気消すの忘れてたかな」
クプス「待って、誰かいる」
ディノ「あ、もしかして…」
3人で恐る恐るドアから顔をのぞかせると、そこにはあの子がいた。
真剣に鏡を見ながら、涙を拭いながら何度も同じところを踊っていた。
俺が昼間教えた部分だ。
ホシ「あ。」
ディノ「Aだ...いつもみんなが帰ったあとも遅くまで残って練習してるんですよ」
ホシ「そうだったの?」
Aの宿舎への帰りが遅いことはみんな気づいていたが、俺たちに馴染めないからわざとどこかで暇を潰してから帰ってるんだと、みんなそう思っていた。
ディノ「あんまりヒョン達には言わないでって言われてたんですけど…」
12歳の、俺の半分くらいしかないような小さな女の子が、俺たちと同じように、いや、それ以上に努力をしていたんだと、その時初めて気付いた。
ホシ「確かにあの子、下手くそだけど、いつも練習だけは一生懸命だったよね。」
ディノ「全くの未経験からで、二、三ヶ月でここまで成長してるって、僕はすごいことだと思います」
俺は、昼間Aにとった態度が急に恥ずかしく思えたし、彼女の涙を拭いながら踊り続ける姿に、なんだか自分まで泣きそうになってしまった。
クプス「ごめん....」
俺は誰にも聞こえるはずのない声で呟くと、いつの間にか練習室の中に足を踏み入れていた。
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作者名:温冷麺 | 作成日時:2022年5月10日 11時